南相馬市などで7月に開催される国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」に出場する騎馬数が404騎に上り、例年の参加数(480騎)の約8割まで回復したことが、相馬野馬追執行委員会の調べでわかった。東京電力福島第一原発事故の影響で、昨年は82騎に激減していた。関係者らは「復興元年として多くの騎馬武者が参加してくれている」と手応えを感じている。 今年の相馬野馬追は7月28日から3日間、南相馬市、相馬市などで開催される。5騎馬会ごとの出場騎馬数は22日現在、宇多郷が58騎、北郷64騎、中ノ郷186騎、小高郷58騎、標葉郷38騎に上る。 昨年は相馬市で騎馬武者の出陣式などが行われたが、最大の呼び物「甲冑(かっちゅう)競馬」と「神旗争奪戦」は中止に追い込まれた。南相馬市原町区の雲雀ヶ原祭場地が緊急時避難準備区域に指定され、多くの住民が市外に避難し、馬も死んだためだった。 同市小高区で行われてき
東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松の一部が25日、成田山新勝寺(千葉県成田市)の「おたき上げ」で壇木として使用された。炎の下、僧侶や参拝者らが震災からの復興を祈った。 京都の伝統行事「五山送り火」では、放射能汚染を懸念する声から燃やされなかった陸前高田の松だが、新勝寺は松の表皮を剥ぎ取った上で、検査機関2カ所で放射性物質の有無を検査。いずれも放射性物質は検出されず、使用に踏み切った。 おたき上げは、願い事を書いた「護摩木」を壇木にくべて燃やしながら開運厄よけや無病息災を祈る行事で、毎年春秋と年末に行われている。震災後、新勝寺の関係者が陸前高田市にある同じ宗派の「金剛寺」を訪問した際、松奉納の話が持ち上がった。今回、護摩木の初穂料は全額同市に寄付されるという。 [時事通信社]
震災と原発事故に見舞われながらも開催された相馬野馬追で、中村神社を出発する武者行列=福島県相馬市で2011年7月23日午前9時33分、手塚耕一郎撮影 福島県相馬地方の伝統行事で国指定重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」が23日始まった。今年は福島第1原発事故の影響で規模を大幅に縮小し、メーン行事の「甲冑(かっちゅう)競馬」などが中止になったが、震災犠牲者への鎮魂の思いを込め、約80人の騎馬武者が市街地を練り歩いた。 10世紀に関東で反乱を起こした平将門の軍事演習が由来とされ、1000年以上の歴史を持つ。将門の子孫と称する相馬氏が鎌倉時代にこの地の領主となり、続けられてきた。 初日のこの日は、相馬市にある相馬中村神社で総大将出陣が行われ、相馬、南相馬両市から集まった騎馬武者が出陣。昨年までのメーン会場(南相馬市原町区)が緊急時避難準備区域になったためコースを短縮し、騎馬武者の数も500人から大
葛尾村から避難してきた先輩の馬(奥)と共に相馬中村神社の参道で練習するサンライズ=福島県相馬市で2011年6月4日午前5時49分、岩下幸一郎撮影 津波被害のあった福島県南相馬市で、厩舎(きゅうしゃ)のがれきの下から3週間ぶりに助け出された馬が、1000年以上の歴史を誇る国重要無形民俗文化財「相馬野馬追(そうまのまおい)」への出場を目指し、練習に励んでいる。復興への願いを込めて付けられた名は「サンライズ」。今年の開催は未定だが、関係者は「伝統の舞台で雄姿を見せてほしい」と期待を寄せる。 サンライズは推定8歳の雄馬。子供たちが馬と触れ合う活動に取り組むNPO法人「馬とあゆむSOMA」(相馬市中村)が被災した馬の保護活動を始めたところ、4月上旬、福島第1原発事故による政府の避難指示で飼い主が避難していた厩舎のがれきに、約20頭が埋もれているのを見つけた。うち半数は既に息絶え、サンライズは全身傷だ
避難所に張った「相馬野馬追」のポスターを指さす西内清祐さん。「ポスターを見た相馬の人たちは口々に今年も見たいね、と言ってくれる」=山形市落合町の市総合スポーツセンターで、前田洋平撮影 福島県の相馬地方で1000年以上の伝統と歴史を持つ国重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」。本陣に張る陣幕や騎馬武者が背に差す指旗(さしはた)などの染めを手がけてきたのが、南相馬市原町区三島町で「にしうち染工場」を営む西内清祐(せいゆう)さん(48)だ。山形市内の雇用促進住宅で避難生活を送っていたが「野馬追は相馬地方のアイデンティティー。原発で文化を消させない」と熱く語る。【前田洋平】 晴れて湿度が低い3月下旬から梅雨入り前の6月上旬が、染め物に向く季節。しかし震災で、西内さんの染工場も染料を溶かしたり布を洗うのに必要な水を沸かす450リットルのボイラーが傾いた。 西内さんは父清実(きよみ)さん(79)
数百騎の騎馬武者が旗を奪い合う相馬野馬追の「神旗争奪戦」=昨年7月24日、福島県南相馬市原町区津波は加藤さん宅のそばまで来たが、野馬追のために飼っているサラブレッド「オンワードレイク」は無事だった=福島県南相馬市鹿島区、大和田写す 津波被害と原発事故で、千年の伝統があり戦争中も途切れなかったとされる福島県相馬地方の「相馬野馬追(のまおい)」が存続の危機だ。しかし住民たちからは復興に向けた精神的支柱として、開催したいとの声が上がっている。 相馬野馬追は毎年7月下旬、同県の南相馬市と相馬市を中心に開かれる。旧相馬中村藩領の郷(ごう)と呼ばれる五つの地域の騎馬会から、約500騎の甲冑(かっちゅう)騎馬武者が集結する勇壮な祭りだ。 だが両市の沿岸部は津波で壊滅的な被害を受け、今も行方不明者の捜索が続く。 さらに福島第一原発の事故で、主会場の南相馬市は避難指示、屋内退避、何の指示もない地域の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く