福田康夫首相にとって初の内閣改造を目前に控え、まもなく10年目に突入する自民、公明連立政権が突如としてきしみ始めた。公明党は年内解散を念頭に内閣改造に難色を示しており、首相と太田昭宏公明党代表との党首会談も宙に浮いたままだ。このまま内閣改造が先延ばしになれば、自民党内に動揺が広がり、首相の求心力はますます低下するが、今のところ起死回生の秘策は見あたらない。衆参のねじれに翻弄(ほんろう)されてきた福田政権は独自色を出せぬまま、政局の濁流にのみ込まれようとしている。(石橋文登、佐々木美恵) ■動けぬ首相 26、27の両日、首相は首相公邸から一歩も出なかった。26日午後5時半、山王パークタワーに近い首相官邸裏門から黒塗りのクラウンが猛スピードで乗り入れ、2時間20分後、別の通用門から闇に消えた。乗っていたのは首相の後見人である森喜朗元首相だとの見方がもっぱら。森氏はかねてから内閣改造を勧めており