県内や関東の古書店が集まる古本市が17日から、つくば市の筑波西武で開かれる。水戸市の古書店代表、中川英治さん(61)が仲間に呼びかけて実現させた。新刊本などと同様、古書もインターネット販売が普及し、店に足を運ぶ人が少なくなっている。中川さんたちは「書物をめくる楽しさと、古本ならではのアッと驚くような発見を提供したい」と話している。 JR水戸駅に近い水戸市三の丸の古書店「とらや書店」。約50平方メートルのこぢんまりとした店構えだが、店内には約1万冊もの古本が並ぶ。倉庫の蔵書を合わせると、扱う書物は約2万点に上るという。東京・大塚で古書店を経営していた中川さんの父、真一朗さんが太平洋戦争後、妻の実家があった水戸に店を開いた。 中川さんは幼少期から店で書籍の整理などを手伝い、東京・神田神保町の老舗古書店「高山本店」で7年間修業。1995年に父の跡を継いだ。修業時代には、司馬遼太郎さんや瀬戸内寂聴