北海道で8人が死亡した腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒で、原因の白菜の浅漬けを製造した岩井食品(札幌市西区)は10日、札幌地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。 負債額は食中毒被害者に対する補償だけで2億2700万円を超えるとみられる。 岩井憲雄社長らは同日、札幌市内で記者会見した。この補償額は札幌市保健所が患者として認定した169人のうち同社が名前を把握している84人に対する試算で、さらに数千万円増える見通しだ。 被害者への補償は一般債権より優先して支払う考えだ。それでも、同社の資産は社長の個人資産などを含めても1億7500万円程度にとどまり、被害がどの程度救済されるかは不透明だ。同社は弁済などが終われば会社を清算する方針だ。 信用調査会社「帝国データバンク」によると、破綻の直接の理由は、保健所から営業禁止処分を受け、受注の見通しが立たなくなったため。 同社は、27日午後1時