福島県が1日、東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設を大熊、双葉両町に建設することを正式に容認したことで、地権者は古里で農業ができなくなることが事実上、決定的となった。建設への見方はそれぞれ異なるが、現場から共通して上がっているのは「地権者に対して政府の説明がない」という声だ。農家は今回の中間貯蔵施設の決定に複雑な思いを抱いている。 ・地権者への政府説明 一言もなし・・・ 県が中間貯蔵施設建設の受け入れを政府に伝えたとの一報を受け、会津若松市の借り上げアパートで避難生活を送る渡部隆繁さん(64)は、怒りで声を震わせた。「地権者には一言も話(説明)がない。被災者はいつも、置いてきぼりだ」 原発事故前までは大熊町で妻の栄子さん(62)と米を作っていた。「行政は地権者と話し合って受け入れを決めるべきだ」と町や環境省に再三、要望してきたが、詳しい説明のな