東京電力福島第一原発事故から四年を前に、県内に避難した人々の証言集「原発避難を語る-福島県から栃木県への避難の記録-」が完成した。編集に関わった宇都宮大(宇都宮市)の教職員や学生、避難者らは二日、大学内で完成の報告会を開き、当事者の苦しみを語り継ぐ決意を新たにした。(大野暢子) 証言を寄せたのは、福島県飯舘村や浪江町など七市町村から避難した女性七人。家族を福島に残して避難していることへの自責の念や、幼子を抱えて親戚宅に身を寄せ、神経をすり減らした経験などが、約八十ページにわたってつづられている。 証言集作りを提案したのは、避難した女性らによる「栃木避難者母の会」代表で、福島市から宇都宮市へ避難した大山香さん(49)。会員の深刻な悩みを聴くうち、こうした声を社会に伝える必要性を感じ始めた。 事故後、避難者への聞き取りを続け、母の会とも交流のあった宇都宮大国際学部の清水奈名子(ななこ)准教授は