固有名ではない「山田太郎」 「山田太郎」といえばわたしの世代にはまずは『ドカベン』の山田太郎であろうが、この名前はある意味特権的な名前である。「名前の代表」として使われることが多いのだ。 名前の範例というものがある。 苗字なら英語で「スミス」、フランスで「マルタン」、ドイツで「ミューラー」、スペインに「ガルシア」、ロシアは「スミノフ」——そして日本では苗字を象徴するのは「山田」であろう。 数で勝る「佐藤」や「鈴木」をおさえて良く使われるのは漢字の画数が少ないことにも因ろう。 姓名の「名」の方では日本では「太郎と花子」。英語では「ジャック・アンド・ベティ」、フランス語なら「ジャン・エ・マリー」、ドイツ語なら「ハンス・ウント・ハンナ」といったところか、スペイン語なら「ホセ・イ・カルメン」に決まりだろう。 名前を象徴する「太郎/花子」、当然お役所などの書類の記入例によく登場する。 納税 太郎(確