「法の番人」は、その名に恥じない役割を果たすのか。11日施行された、犯罪を計画した段階で罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法について、裁判所のチェック機能が注目されている。政府側は「裁判所による審査が機能するので、恣意(しい)的な運用はできない」と強調するが、元裁判官は「裁判所は、乱用の防波堤とはなり得ない」と言い切る。【庄司哲也】 「277もの犯罪が一気に対象となりましたが、本来であれば罪名ごとに慎重に審議すべきでした。でも、非常に大ざっぱな議論で成立してしまった」。こう批判するのは、東京高裁部総括判事などを務めた弁護士の木谷明さんだ。
高等教育および研究のICT活用と開発を目的としたJisc等6機関によるKnowledge Exchange(KE)はこのたび、論文掲載料(APC)を支払うことに対する著者の見解に関する調査報告書を公表した。調査対象は、英国、フランス、ドイツ、フィンランド、デンマーク、オランダの6つの研究機関に所属する著者。 要約版"Paying for Open Access the author's perspective"(試訳:オープンアクセスへの代価支払いに関する著者の見解、pdf:16ページ) 報告書本編"The financial and administrative issues around article publication costs for Open Access: the author's perspective"(試訳:オープンアクセスの論文掲載料に関する金銭・管理的課題:著
2017年7月12日、PLOSはネットの中立性を守ることを目的とする活動”Battle for the Net Neutrality”の支持を表明するとともに、同日中に限ってサイト内で同活動への支持を求めるメッセージポップアップを表示しました。 「ネットの中立性」はインターネットサービスプロバイダが、一部のユーザーやコンテンツを優遇することを認めない考えで、米国では2015年に米国連邦通信委員会(FCC)がネットの中立性に関する規則を採択しています。これにより、例えば追加料金を支払った公開者のウェブサイトのみ高速でアクセスすることができるといった、コンテンツの内容に基づくアクセス環境の差別は認められないことになります。 現在、FCCでは同規則の緩和が検討されていますが、PLOSは学術文献への国際的なアクセス環境を保障するためには同規則は必要であると主張しています。 PLOS Support
東京大史料編纂所が本格調査に乗り出す 19世紀に独立国だったハワイ(現・米国ハワイ州)と日本との外交関係を記録した文書が同州立文書館(ホノルル)に大量に保管されていることが分かり、東京大史料編纂(へんさん)所が本格調査に乗り出した。米国による併合から逃れて独立を保つために日本を利用しようとするハワイと、米国をけん制する新興の近代国家日本の姿が浮かび上がる。さらに、詳細が分からなかった移民の実態など、3国の太平洋を挟む裏面史に迫る一級史料の数々だ。 同編纂所の保谷(ほうや)徹教授(幕末維新史)らのチームが昨年、同館でハワイ王国時代の1861年から、共和国を経て米国に併合される98年までの日本との条約や移民契約、ハワイ外務省と駐日外交官との間の訓令や報告など計約7000点を撮影した。
17日、倉敷市営であった岡山大会1回戦で、岡山大安寺の中村源太が、岡山御津を相手に完全試合を達成した。背番号「16」の1年生は、初めての夏の初戦で先発マウンドを任されると、97球、10奪三振で大記録を打ち立てた。岡山県高野連によると、完全試合は大会史上初めてという。 先発を告げられたのは前日の練習後。緊張で前夜は眠れなかった。山口史浩監督は試合前、顔面蒼白(そうはく)の中村に「とにかく腕振ってガンガン行きゃあ、なんとかなるけん」と励まし送り出した。 試合では直球と縦のスライダーを丁寧に低めに集め、次々と三者凡退に打ち取る。捕手の池尻拓巨(3年)は「今までで一番良い投球。球は良く伸びているし、変化球もキレている」。完全試合も頭をよぎったが、「意識させちゃいけない」と何も言わなかった。 九回、2死から9番打者の3球目。左方向に大きなファウルを打たれ、スタンドがどよめいた。捕手池尻はタイムをとり
安倍晋三政権のスポークスマンでもある菅義偉官房長官の記者会見が東京新聞の社会部記者の参戦によって雰囲気が一変した。この記者が臆測による質問や延々と質問を続けるためだ。 社会部の女性記者 「共同通信の調査では国民の77%が政府の対応に納得していない。もう少し開かれた対応をしていただきたい」 6月6日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、舌鋒鋭く質問する見慣れない記者が会見場に現れた。いまや永田町で有名人となった東京新聞社会部の望月衣塑子記者だ。次から次へと質問をたたみかける姿は、国会で与党を追及する野党議員と比べても遜色はない。 望月記者は同月8日も会見に参加し、20回以上質問を浴びせた。官邸側の司会者が「同趣旨の質問は控えてほしい」と注意しても「きちんとした回答をいただけていると思わないので繰り返し聞いている」とひるむ様子はない。 記者会見の様子はインターネット上で配信されてい
サイバー防犯ボランティアの大学生 北河佑樹さん(19) 昨年7月に愛知県警から「サイバー防犯ボランティア」に委託され、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上にあふれる有害な書き込みに目を光らせてきた。援助交際の募集や、児童ポルノ画像などの投稿を見つけ、関係機関に通報。書き込みの削除やアカウントの凍結につなげた。女子中学生や女子高校生による書き込みも目立ち、「すごく危険。一時の感情に流されないでほしい」と訴える。 ボランティアには県内7大学の148人が参加し、通報件数は今年3月末までで計8841件に上った。北河さんはこのうち、メンバーの中で最多となる1249件を通報し、県警から感謝状も贈呈された。
100歳超えてなお、抱えきれない夢 5月に「十代のきみたちへ ぜひ読んでほしい憲法の本」(冨山房インターナショナル)を出版した。一節に、こうある。 「いのちを守る憲法を持っている日本の人たちは、もっともっといのちを大切にしなければなりません。いのちの大切さを忘れ、お金もうけばかりに気を取られていると、そのうち憲法を変えようとする人たちに、いのちを守らない憲法をつくられてしまうかもしれません」 これまで200冊以上の本を書いてきたが、憲法をテーマにしたのは初めてだという。なぜ今? 政府が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、「戦争」の言葉が盛んに飛び交う現状を「『いのちを守る』はずの憲法の解釈を変え、大人は日本を戦争をする国にしてしまった」と憂える。「それに『ノー』と言える子供たちを育てることに力を入れたい」と力を込めた。 10歳の時、大病で意識不明になった母親を救ってくれたかかりつけ医に憧れ
東東京大会の関東第一-堀越で関東第一が打順を誤り、相手からもアピールのないまま試合が進み、終了する珍事があった。 関東第一の6回の攻撃は本来、1番の斎藤未来也右翼手(2年)が先頭で打席に入るところだった。ところが、2番小林琢朗左翼手(3年)が入って試合が進んだ。堀越側が誤りをアピールすればアウトを宣告されるが、それはなかった。小林は「おかしいと思ったけど、電光掲示も2番だったんで」と話した。 実は5回2死一塁、斎藤の打席で、9番が二盗に失敗し、攻撃を終えていた。このとき、斎藤が捕手への守備妨害をとられた。野球規則は打者が捕手の送球を妨害した場合、打者アウトとする。斎藤も「妨害といわれたんで、2番からと思った」。ただし二盗失敗の場合は走者アウトとなる。 関東第一の米沢貴光監督(41)は「初歩的ミス。僕の責任です。気をつけたいというしかないです」と話した。野球規則では審判員が誤りに気づいても注
東前頭4枚目の宇良(25=木瀬)が涙の初金星を獲得した。立ち合いで横綱日馬富士の右腕にしがみつき、とったりを決めた。15年春場所の初土俵から所要15場所目の初金星は歴代2位のスピード記録で、日本出身力士では北勝富士と並ぶ最速となった。65キロ未満の軽量級だった関学大2年から5年で体重137キロまで増量。8日目の白鵬戦は完敗だったが、創意工夫を重ねてきた業師は日馬富士を土俵にはわせ、歓喜の涙をこぼした。 立ち合いの低さ、鋭さが武器の日馬富士より、宇良はさらに低く前に出た。下から当たると同時に右腕をつかんだ。振り回すように左に回りながら、両腕でしがみつくように引っ張り込む。気付けば横綱が前のめりに倒れていた。 乱れたまげに上気した顔。ぼうぜんとしていた。勝ち残りで土俵下にいるときも目はうつろ。NHK中継のインタビューで涙をこぼした。「もう力を出し切れて良かったです…。明日からも頑張ります…」。
100歳をすぎても現役の医師を続け、高齢者が活躍できる社会の在り方などについて提言を続けた、文化勲章受章者の日野原重明さんが、18日朝、亡くなりました。105歳でした。
民進党が東京都議選の惨敗について、総括の議論を進めている。 唐突感があるのは、蓮舫代表の戸籍情報公開を検討していることだ。台湾籍との「二重国籍」を解消したことを証明するためだという。 この問題は昨年9月の党代表選時に浮上した。蓮舫氏は当時、説明を二転三転させた後、台湾籍を持ったままだったことを認めた。そのうえで台湾籍の離脱手続きと日本国籍の選択宣言を行ったと説明してきた。 それに対し党内から、都議選敗因の一つだとして「戸籍も見せて説明を」と求める声が上がった。蓮舫氏は「戸籍そのものではなく、台湾籍を有していないことが分かる部分」を連休明けに公開するという。 戸籍は出自を証明する究極の個人情報だ。その一部とはいえ、国籍確認のために公開する前例をつくれば、日本国籍を取得した人に公開を強要する風潮を生みかねない。 民進党内からは「差別を助長する」「党綱領に掲げた共生社会の理念に反する」と公開に反
イラク・モスル西部の荒廃した市街を歩く人々(2017年7月12日撮影)。(c)AFP/FADEL SENNA 【7月18日 AFP】国連のヤン・クビシュ(Jan Kubis)事務総長特別代表(イラク担当)は17日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からイラク軍が奪還した同国北部モスル(Mosul)で、ISに味方したと疑われる住民への報復行為が増加していると警告した。 クビシュ代表は国連安全保障理事会(UN Security Council)で「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)と関係があると見なされた家族に対する集団的処罰を支持する感情が、大衆の間で高まっている」とし、懸念を表明した。 また同代表は「イラク全土で、ダーイシュとのつながりがあると見なされた国民が、強制退去や家屋の没収といった報復・復讐(ふくしゅう)行為の対象になる例が増えている」と述べた。 国連はイラク
ゾンビ映画の巨匠として知られるジョージ・A・ロメロ監督が米国時間の16日、肺ガンで死去したことが明らかになった。77歳だった。 長年、プロデューサーとしてパートナーを組んでいたピーター・グルンワルド氏がロサンゼルス・タイムズ紙に明かしたところによると、ロメロ監督は、肺ガンと闘っていたが、トロントで妻と娘にみとられ、安らかに息を引き取ったという。また、亡くなる直前まで、お気に入りの映画「静かなる男」(1952年)のテーマ曲を聴いていたという。 ニューヨークのブロンクス出身のロメロ監督は2009年にカナダ国籍を取得して以来、カナダに在住。1968年に製作した映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でカルト的な人気を得た後、世界的に大ヒットした代表作「ゾンビ」(78年)、「死霊のえじき」(85年)、「ランド・オブ・ザ・デッド」(05年)などの作品を送り出した。 ホラー映画界の草分け的存在として知
歴史上、世界のどの国も体験したことがない未曾有の人口減少時代に突入した日本。約50年後には、4600万人もの人口が減る厳しい未来が待っている。『縮小ニッポンの衝撃』は今後、日本が直面するこの問題に正面から向き合った、NHK取材班のルポをまとめた一冊だ。本書から一足先に「財政破綻」「超高齢化」「人口減少」という三重苦を抱えた、夕張市の衝撃的な現実を特別公開する。 税収は8億円、返済額は26億円 夕張市は、財政破綻で2007年に財政再建団体に指定されたことをきっかけに、事実上国の管理下に置かれた。 2010年の法改正で財政再生団体と名称は変わったが、予算編成にしても国の同意を得なければ、新たな予算を計上することも独自の事業を実施することもできない。「地方自治体」でありながら、「自治」が許されない。そんな自治体は、全国でも唯一夕張市だけだ。 夕張市の財政はいまも火の車だ。税収が8億円しかない夕張
加計学園(かけがくえん)の獣医学部新設に関する疑惑をめぐり、ついに安倍総理が自ら国会の閉会中審議で説明する意向を明かした。いまや加計学園の名前、そして理事長の加計孝太郎氏の顔は、メディアで連日報じられている。 しかし、「加計学園問題」ではいったい何が「疑惑」とされているのか、今ひとつわかりづらい。また、約2万人の学生が通う「西日本有数の私学」である加計学園がどのような学校法人で、理事長の加計孝太郎氏がどのような人物なのか、その全貌を知る人は少ない。 全三部構成の本レポートでは、加計学園が過去にまとめた資料をひもとき、さらに関係者に取材を行って、学園の知られざる前史から現在の「疑惑」に至るまでの歴史を追う。視点を変え、学園の過去を明らかにすることで、ことの本質を浮き彫りにするためだ。 第一部は、加計学園創立者で孝太郎氏の父である加計勉(つとむ)氏の前半生と、その人脈、学園創設に至るまでの経緯
県議会6月定例会は最終日の14日、安倍晋三首相が目指す憲法改正に関する意見書案をめぐり、激しい議論がされた。反対する県議が「強引な政権運営が目立つ安倍首相の下での改憲は、人権を脅かしかねない」と述べると、自民県議から「人権よりも命だろうが」とヤジが飛んだ。 「憲法改正議論の推進を求める意見書」は自民県議7人が提出。代表して趣旨を述べた小島隆氏は「国際情勢も緊迫度を増しており、自衛隊は違憲、憲法9条改正は反対などとのんきにお題目を唱えている場合ではない」と述べた。 これに対し、未来にいがたの池田千賀子氏は、安倍首相の強引な政権運営が国民の不安を招いていると指摘。「憲法は国家権力の暴走から人権を守るものだ」として安倍政権下での改憲反対を訴えた。ヤジはその際に飛んだ。意見書案は賛成多数で可決された。 このほか、自民県議によるテロ対策強化を求める意見書案は可決。未来にいがた議員から出た「共謀罪」の
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