毎年10月頃、大学教員が企業における内定式に対して不満を表明することがある。(1)まだ働いていない学生を無給で拘束するのはおかしい、(2)授業やゼミ・研究室(卒業論文)を優先するべきである、(3)企業は日頃から大学に対して教育を充実するように要請していることと辻褄が合わない、(4)せめて平日ではなく土曜日、日曜日に開催してほしい、といった主張である。 そこで、内定式とはそもそも何を意図しているのかに関する研究を探してみることにする。研究検索ウェブサイト CiNii Research を使って「内定式」を探してみると数件しかヒットしない。国会図書館サーチでもあまり変わらない。その中で唯一参考になるのがJIL-PTの記事であった。 小杉礼子、2009、「なぜ内定式は10月1日に多いのか」『日本労働研究雑誌』585、62-65 https://www.jil.go.jp/institute/za