Webサービスにおける安全な通信を実現するためにTLS(Transport Layer Security)プロトコル[1]では通信データの暗号化と通信相手の認証が行われている。本稿で取り上げるDANE(DNS-based Authentication of Named Entities)は、このTLSにおける通信相手の認証のために、認証局ではなくDNSを使う仕組みである。本稿では、2011年度上半期のインターネットにおけるセキュリティ技術の動向としてDANEを紹介する。 DANEは、2010年8月頃、KIDNS(Keys in DNS)と呼ばれ、IETF(Internet Engineering Task Force)のメーリングリスト1で議論が始まった仕組みで、2010年末にワーキンググループが設立され、プロトコルの策定に向けた議論が活発化した。DANEは、DNSを使って、電子証明書を配