逝く都市もあれば、来る都市もある。月日の移り変わりのように、世界地図も流動的である。ベルリンの壁崩壊後はあらゆる種類の合併や分裂がほぼ年単位のペースで地図をごちゃごちゃにしている。日本でも市町村合併などにより、地図会社の人が気の毒なくらいに再編成が行われている。 ここでは、約50年前、1960年には存在しなかった都市の中で、ほんの2、3世代の間に、ゼロから人々の活動や経済の中心となった10の都市を見ていくことにしよう。 10.仁川/韓国 この画像を大きなサイズで見る 韓国の仁川広域市は北朝鮮の国境から数マイルに位置する。人口はおよそ3百万人で、今では韓国で三番目に大きな都市となった。1994年、韓国政府は仁川の海岸沖を埋め立てて、世界でも最大級の情報産業都市を建設するという大胆な計画に取り掛かることを決めた。その費用はおよそ400-500億ドル(およそ4-5兆円)が見込まれていて、2020