創作:異世物語 目次 - ネギ式 おたく男は事例研究などと言ったが、すぐに嗜好をあらわにして「幼なじみ萌〜」と口にして、趣味的に事例収集するのであった。現代日本から転移してきたおたく男には、もちろん、この世界に幼なじみはいないのである。 井戸の周りでその近所の子供たちが遊んでいたものだが、その子供が大人びてきた。一緒に遊ぶのは恥ずかしいと感じるようになった。男の方はこの時遊んだ幼なじみと是非結婚したいと思っていた。女の方も相手の男をずっと思い続けていて、親が別の男を勧めても聞かないでいた。男から女に書いた歌は 筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに 丸い井戸の周りの囲いと同じくらいだった私の身長も、あなたに会わない間にずいぶん伸びて大きくなりましたよ。立派になった私をお見せしたい。結婚して下さい。 受け取った女が返した歌 くらべこし振り分け髪も肩すぎぬ君ならずして誰かあぐ