NHKの料理番組「きょうの料理」(Eテレ、月〜木曜午後9時)が今年、60周年の節目を迎えた。昭和32年に始まり、現在も国内最長寿の料理番組として続く同番組。時代ごとに変化してきた日本の食生活を鏡のように映し出してきた。大野敏明プロデューサーは「『誰でも再現できる料理』を紹介し続け60年。番組を通じ、料理の楽しさに気づいてもらえたら」と話している。(本間英士) 時代に合わせ変化 「♪タンタカタカタカ、タンタンタン…」 第1回から続くおなじみのテーマソング。作曲家の冨田勲さんが、まな板に刻まれる包丁の音をイメージして作った作品だ。国内でテレビ本放送が始まった4年後の32年11月、「きょうの料理」はスタートした。 初回のレシピは意外にも「かきのカレーライス」。大野氏は「当時は洋食への憧れがあった時代。ハイカラな食事を紹介する狙いがあったのでは」と語る。当初は生放送で、本番中に大根がコロコロと転が