フランスで法律の違憲性を判断する憲法評議会は29日、仏政府が来年1月から導入を予定している炭素税を無効とする裁定を発表した。政府の新年度予算や税制改革は根本から練り直しを迫られる。 仏は二酸化炭素(CO2)排出量の抑制や省エネ技術開発促進のため、二酸化炭素1トンあたり17ユーロの炭素税導入を中心とする税制改革法案をつくった。電力業界を「CO2と無関係の原子力が主流」として対象外にするなど、多くの企業向け免税措置を設けた。 この措置を憲法評議会は問題視した。製油所など環境汚染が甚だしい1018カ所の事業所や火力発電所が課税を免れ、免税対象は企業排出CO2の93%に及ぶと試算し、「税の不平等感が強く、温暖化対策の目標にも逆行する」と批判。法律を無効とした。 フィヨン首相は29日、新たな炭素税法案を1月20日の閣議に提出する方針を示したが、予定通りの導入は不可能となった。炭素税を環境対策の