空想的な絵本や幻想的な風景画で親しまれた画家の安野光雅(あんの・みつまさ)さんが昨年12月24日、肝硬変のため死去していたことが16日分かった。94歳。島根県出身。葬儀は家族で行った。 山口県や東京都での教員生活を経て、画家として独立。1968年に最初の絵本「ふしぎなえ」を発表した。「さかさま」「ABCの本」など、視覚的トリックを用いたエッシャー風のだまし絵による絵本で、国内外を問わず人気を集めた。 欧州や国内各地を旅しては温かみのある風景画を描き、「旅の絵本」シリーズや「津和野」などの作品集を発表した。司馬遼太郎さんの「街道をゆく」の取材にも同行した。