深夜に1人、ホームに立つ。 田舎の駅では、それだけで気分がいい。 無人駅ということもあり、始発が来るまでここは私だけの世界。 見渡す限りの畑、畑、畑。 その奥に、住宅地がある。新しい家だ。 そして、電気の消えた家を見て思う。 あの家では、今日どんなことがあって、どんな人が暮らしているのだろうか、と。 誰にも邪魔されない空間。 そういった所では、今のこの状況は一種の部屋と同じではないのか。 そんな事を思いながら、私はいつも通り始発を待っている。
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