本書の著者は近代文学の研究者。執筆時の肩書は京都橘大学教授となっている。 京アニを読む (新典社新書) [ 野村幸一郎 ] ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 1,080円 冒頭の記述に気を引かれたので引用しておく。 ・・・(略)・・・三〇年前、(差別的な意味での)「マンガ」と馬鹿にされていた村上春樹は今や日本を代表する「純文学」作家になってしまい、ノーベル文学賞候補の常連と目されるようになった。・・・・・・/それはともかく、このような村上春樹の「大化け」は私たちを一つの仮説へと導くことになる。それは「今はマンガのように見えている物語もひょっとしたら三〇年後、大化けとまではいかないにしても小化けくらいはするのではないか」という仮説だ。 通俗小説とバカにされていた村上春樹が純文学の旗手とみなされるようになったように、アニメやラノ