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ブックマーク / note.com/eichan_sh (8)

  • 中国に現れた「失われた30年」の亡霊|上海在住のえいちゃん

    現代の中国社会を観察する際に一つの「思考の補助線」を引くと、バラバラに見える現象の輪郭が浮かび上がります。 それは「現代の中国は経済だけでなく、社会現象や文化までもが、かつての日におけるバブル崩壊後の歴史を辿っている」という仮説です。 今回の記事ではこの仮説に基づき、中国SNSに突如として現れた「モノクロの少女」がなぜ生まれ、何を暗示するのかを考察します。 死を示唆する少女キッカケは一枚のチャット画面でした。ある女性が、別れた彼氏と復縁したいがために「一緒に死のう」と迫り、それに対して友人が怯えながら「…私も死ぬの?」と問い返す。この会話が突如バズったのです。 右:「ねえ、私たちのお金を全部彼に渡そう」 右:「そうすれば、彼は仲直りしてくれる」 左:「私のお金もあげなきゃいけないの?」 右:「そう」 左:「149.38元(3,000円強)送金」 右:「彼が同意しなかったら私たち自殺しよ

    中国に現れた「失われた30年」の亡霊|上海在住のえいちゃん
  • 中国の若者とガールズバンドクライ:井芹仁菜が持つ氷河期魂|上海在住のえいちゃん

    『ガールズバンドクライ』は2024年に放映されたガールズバンド作品です。中国では放送直後から若者を中心に爆発的なブームを巻き起こし、数々のイベントが開催されるほど人気を呼びました。 なかでも象徴的なのは、主人公・井芹仁菜が劇中で着る「不登校」Tシャツが、街のあちこちで見られる現象となったことです。 筆者はずっと、この『ガールズバンドクライ』の人気は日における氷河期時代と重なるものを感じていました。今回の記事では、このブームを現代中国社会、そしてなぜ日の氷河期と重なって見えるのかを解説します。 受動型学習の限界2021年、各国の大学生3万人を調査した研究が発表されました。 そのなかで中国の大学生は入学時点で優秀な成績を誇るものの、入学後に論理的思考能力が低下する、という結果が示されました。 この背景には高校までの「スパルタ式の受動的な学習」から、大学で求められる「自律的な学習」への転換に

    中国の若者とガールズバンドクライ:井芹仁菜が持つ氷河期魂|上海在住のえいちゃん
  • 中国の若者がギャルゲーに求める「報われる世界」|上海在住のえいちゃん

    東京大学が主導し日中の46大学が参加したビジュアルノベル研究の合同誌がコミケC107で発表されました。中国TOP校から地方大学まで、国境を越え結集した学生たちがテーマとして取り扱うのは「ギャルゲー」です。 【コミケ50周年特別企画】 C107にてビジュアルノベル大学サークル合同を頒布します! 総ページ数は676ページ!! 参加数は日中合計46団体、テーマは「各サークルの活動史」と「ビジュアルノベルのこれから」です。 ビジュアルノベルに対する大学生の生の声を、どうかお見逃しなく! (続く)#C107 pic.twitter.com/papXxuZE1O — 東京大学ビジュアルノベル同好会UT-ViNos(2日目 東6 東 イ 31b) (@ut_vinos) December 12, 2025 これは中国側で行われた告知です。 【抜粋】 東京大学が主導し、日中の計46大学が今回の刊行物の

    中国の若者がギャルゲーに求める「報われる世界」|上海在住のえいちゃん
  • フードデリバリーと中国社会の断裂|上海在住のえいちゃん

    道を埋め尽くす色とりどりのヘルメット。中国でこういった光景は当たり前となりました。もはやフードデリバリー員のいない風景を想像することはできません。 しかし、その「当たり前の日常」の裏側で深刻な変化が起きています。 2025年12月22日、湖南省長沙市。ある住宅地の前を、抗議の声を上げるフードデリバリー員の集団が埋め尽くしました。 時を同じくして、12月初めに国営放送(CCTV)とプラットフォーム大手が制作したPR動画が猛烈な批判を浴び、公開停止に追い込まれました。 いったい、中国ではいま何が起こっているのか。今回の記事ではフードデリバリー員から見えるリアルな中国社会と、その背後に潜む「断裂」を解説します。 「新ブルーカラー」の爆発的増加フードデリバリー員は今や中国経済を支える巨大な労働力となっています。 中国ではネット配車やデリバリー、宅配といった業種は「新型就業形態」とされ、いわゆるギグ

    フードデリバリーと中国社会の断裂|上海在住のえいちゃん
    whalebone
    whalebone 2025/12/26
    Fujifilm X100VI
  • 公演中止騒動が映し出した、中国社会の静かな変化|上海在住のえいちゃん

    今回の記事では11月29日に発生した、日人アーティストの公演が中止となったニュースについて、中国側の反応を掘り下げて解説します。 日側では中国の強硬な措置ばかりが注目されがちですが、私にとって今回の出来事は、中国社会の変容を垣間見る意外な機会でもありました。 この様子を捉えたショート動画が中国の交流サイト(SNS)で拡散され、「非常に乱暴なやり方だ」「歌手に対して失礼だ」「やり方に批判が集まるのでは」などの反応がありました。これに対し、高市首相の発言を引き合いに「日に教訓を与える必要がある」といった声もありました。 大槻マキさんの上海公演中断、中国人はどう思っている?(毎日新聞)これらのコメントのうち、「日に教訓を与える必要がある」といった意見は、いわゆる保守・愛国系アカウントであり、その反日的な立場を踏まえればごく自然な反応です。そのため、稿では詳細に取り上げません。 ここで焦

    公演中止騒動が映し出した、中国社会の静かな変化|上海在住のえいちゃん
  • 結婚を避ける男たち:中国「土方オールイン法則」|上海在住のえいちゃん

    今回の記事では、最近の中国で大きな議論を巻き起こしている「土方オールイン法則(力工梭哈定律)」について解説します。 これまで、このnoteでは中国における非婚化の原因や、その背景にあるジェンダー対立について取り上げてきました。 これらの解説は、どちらかといえば第三者的・客観的な立場から行ってきましたが、今回取り上げるこの法則は、男性の行動様式に焦点を当てて非婚化の原因を読み解くものと言えるでしょう。 稿では土方オールイン法則とは何か。なぜ中国の男性は結婚したくないのかを読み解きます。 30万元スピード婚と「冬萍の微笑み」法則の解説へ移る前に、最近の中国ニュースを2つ紹介します。 30万元でスピード婚、花嫁は1か月で逃げた江西省の男性が、わずか3日間のお見合いで結婚に踏み切った後、信じられないような事態に巻き込まれました。支払った総額はおよそ30万8000元(約650万円)。しかし結婚から

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  • 結婚できない若者:中国「超単身時代」の解説|上海在住のえいちゃん

    「なぜ、若者は結婚しないのか?」 「なぜ、男性が多い中国で女性余りが発生するのか?」 最近、中国で「超単身時代」という単語が多く登場するようになりました。この記事では、この「結婚できない社会」の正体と、それを生んだ社会の構造的背景を紐解いていきます。 非婚化と少子化この問題を取り上げた背景は、中国少子化問題です。 中国では結婚数の減少は直接に少子化に繋がります。中国では、結婚せずに子どもを産むこと(非婚出産)への社会の許容度が極めて低いため「未婚の母」は社会的な偏見の対象となり、家族や職場での支援が得られにくく、育児環境も厳しくなります。 かつての中国では「計画生育政策」があり、たとえば出産には婚姻証明が必須でした。現在は規制が緩和されていますが、補助金や医療保険、学校入学など、多くの制度で結婚が前提となっており、未婚出産は実質的に不利な状況になります。 このような背景から「結婚しない=

    結婚できない若者:中国「超単身時代」の解説|上海在住のえいちゃん
  • 幸福とは何か:中国ディストピア漫画で知る底辺層のリアル|上海在住のえいちゃん

    今回、紹介する作品は中国という巨大な国の中でも最底辺で暮らしている人々の視点から描かれた物語、中等専門学校の鼠の大冒険(中专鼠鼠大冒险)です。 この記事は華やかな経済成長やテクノロジーとは対照的な「影の部分」に光を当てます。かなりダークな表現が多いので苦手な方はご注意ください。 この作品を通じ中国社会の過酷さと、ここで生きる人たちの強さ、そして幸福とは何かを感じ取っていただければ幸いです。 *7/6 22:00 ページ(3,4)を追加しました 中等専門学校とは前提となる知識の解説です。中国は大学入試試験(高考)が有名ですが、実はその前に高校入試試験(中考)があります。 中等専門学校とは日でいう専修学校のような存在です。場所によって異なりますが、上海では高校受験で成績の下位20%が行く学校の一つとされています。ここで学生は職業の技術を学び、卒業したあとは、すぐに就職することが多いです。 中

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