タンポポの映像が何もない空中に浮かぶ。綿毛に触れるとふわふわと飛んだ―。パリティ・イノベーションズ(京都府精華町)が開発した特殊なミラー「パリティミラー」を使って実現した映像だ。メガネ型ウエアラブル端末など特殊な道具を装着せずに空中映像が見られ、人の動きを捉えるセンサーと組み合わせると映像に触って操作できる。 すでに15cm角のサンプル品の提供を始めており、自動車や家電、エンターテインメント業界などが関心を寄せる。2020年初めには30cm角のサンプル品の提供を始める。販売促進ツールやトイレなどで手やスイッチが汚れない衛生的なユーザーインタフェース(UI)としての利用を見込む。SF映画で見られるような世界の実現が近づいている。(取材・葭本隆太) <微細なブロック状の鏡が数十万個> パリティミラーは樹脂製の板の表面に0.1―0.5mm角の微細なブロック状の鏡を数十万個秩序立て並べた構造を持つ