毎年夏になると、首相や閣僚の靖国神社参拝が国内政治や東アジア国際関係の焦点のひとつになる。しかし、靖国神社がどのようなところで、「参拝問題」とは何か、国内外で十分に理解されているのだろうか。 夏になると必ず話題になる「靖国神社」をめぐる問題。首相や閣僚による参拝の是非が、国内政治のみならず、外交、国際関係の上でも注目されている。 だが、そもそも靖国神社をめぐって何が問題なのか。実は日本でも単純に、東京裁判(極東国際軍事裁判)におけるA級戦犯が祀られている神社に首相や閣僚が参拝すると、それがさきの戦争を肯定しているように思われたり、軍国主義の復活のように思われるから、と漠然と感じているにすぎないことが少なくない。 では、靖国神社とはそもそもどういうところで、なぜA級戦犯がそこに合祀(ごうし)されているのだろうか。そして、それはどのような背景をもっているのだろう。実のところ、これらのことを問わ