九段新報 犯罪学オタク、新橋九段によるブログです。 日常の出来事から世間を騒がすニュースまで犯罪学のフィルターを通してみていきます。 さて、前回『進化心理学は疑似科学である 【書評・上】進化心理学から考えるホモサピエンス』からの続きです。今回は特に犯罪と関連する記述について、その妥当性を考えます。 結婚するとおとなしくなる男 まずやり玉に挙げるのは、本書で述べられている、男性の攻撃性や衝動性が結婚後落ち着くというものです。若い時のほうが総じて攻撃的であること自体は、間違っていません。 本書では、進化心理学の観点から、これを「子供ができたために、リスクのある闘争を行って女性を獲得する必要がなくなったから」と説明しています。これはそれ単体ではもっともらしく聞こえます。しかし、一方では従来の進化心理学の理論とは相いれません。 本書では別の部分で、地位の高い男性が不倫をするのは、若い女性を手に入れ