自民党と公明党の政権が長期化する一方で、野党の側では選挙協力や積極的/消極的な候補者調整が議論のテーマもしくは紛争の種となってきた。以下、これらをまとめて「野党共闘」と表現する。 与党の状況がどうであれ、野党共闘の成否は選挙結果を大きく左右する。しかし、政局的な争いによくあるように、この野党共闘の効果について適切な理解をもとに論じられることは少ない。そこで今回と次回では、この野党共闘の効果についてどのように確認すればよいのか、データを示しながら論じてみたい。 ○勝○敗と数えるだけでは野党共闘の成果を測れない 新聞などでは、政党の選挙における何らかの戦略の成否を示すのに○勝○敗というような集計結果を示すことが多い。しかし、このような単純な集計値は、物事を適切に理解する際にかえって邪魔になることもある。 たとえば毎日新聞は、2019年参院選における野党共闘を<多弱野党、共闘限界 1人区10勝2