“健脳食品”“頭脳食品”あるいは“高脂血症の改善に有効”とか、“脳へ働きかける栄養素”などとレシチンが宣伝されています。レシチンを摂取すると“頭が良くなる”のでしたら、すぐにでも飛びつきたくなるのですが、どうなのでしょうか。 食事として摂取したレシチンはそのままでも吸収されますが、大部分は膵液中のホスホリパーゼによって、リゾレシチンと脂肪酸に分解されて吸収されます。リゾレシチンの一部は小腸粘膜細胞内でレシチンに再合成されますが、残りはさらにグリセロホスホリルコリンに加水分解後、血液中へ運ばれて、肝臓でコリンとなります。 コリンは神経伝達物質アセチルコリン生合成の前駆体であり、リン脂質合成のための重要な材料です。コリンが欠乏するとレシチンをはじめとするコリン含有リン脂質の合成が阻害され、肝臓で合成された脂肪を肝臓外へ移送することができなくなり、脂肪肝を招きます。 食事から摂取するレシチンはコ