新年度が始まって1カ月しかたたない中で、早くも新社会人の“退職ラッシュ”がニュースになっている。SNSでは「初日でやめたい」などの声があふれ、4月中旬には、希望とは異なる部署に配属されて不満を抱く「配属ガチャ」というワードがトレンド入りした。新社会人の4月といえば、まだ本格的な仕事も任されない時期だろうが、「現場」では一体何が起こっているのか。今年、入社1カ月もたたず会社を辞めた2人の新社会人に話を聞いた。 【写真】駅構内で「名刺交換してください!」という実場面はこちら * * * 「もうやめます」 東京・中野区に住む勝俣真司さん(仮名=23)が上司にそう告げたのは、4月中旬。入社して約2週間しかたっていなかった。 勝俣さんが新卒で入社したのは、大手不動産グループの子会社。不動産業を営む両親をもち、勝俣さん自身も大学時代に宅地建物取引士の資格を取った。いつかは親の仕事を継ぐことも考え、