今年に入ってから紛糾した炎上事例に関連して、「許す、許さない」に関する話題をよく目にするようになった。 このテの話が出るたびに毎回、私はどこか疎外感を抱いてしまう。さまざまな被害者やサバイバーの恨みや傷つきの感情の話を読むとき、「許す」「許せない」の話が出てくると、そこに、いつもどこか置いていかれたような気持ちになる。 私は子どもの頃から「許す、許さない」という感情がよく分からない。 幼少期からのいじめ被害経験や、凶悪犯罪に該当するであろう経験もあるものの、それらの加害者から謝罪があった場合に「許せるか、許せないか」と問われるとよく分からない。どういう行為や心情が「許す」「許さない」に該当するのかが自分ごととして腑に落ちていないのかもしれないし、そういった感情に、特段、区別をつけることを必要とはしていないのかもしれない。 私は基本的に「罪を憎んで人を憎まず」のスタンスなので、特定の行為やそ