ブックマーク / econ101.jp (20)

  • ジョセフ・ヒース「初心者を経済学に入門“させない”方法」(2015年1月14日)

    驚くべき動画が公開された。アレックス・タバロックとタイラー・コーエンが最近、彼らの運営する「マージナル・レボリューション大学」 [1]訳注:タバロックとコーエンが運営するブログ「マージナル・レボリューション(Marginal … Continue reading でミクロ経済学の新コースを開講するにあたって、入門教科書の宣伝も兼ねた短いプロモーション動画を公開したのだ。彼らは、「経済学って楽しい、親しみやすい、怖くない」と思えるような動画作りに力を尽くしている。ほとんど全てのセリフにちょっとしたかわいらしいアニメーションがついていて、経済学の勉強は怖くないと思ってもらえるよう作られている。だが動画も中盤にさしかかると、彼らはそれまでの努力をうっちゃって、普通の視聴者を置いてけぼりにすること請け負いのセリフを述べ始めてしまう。動画を見て、彼らの失敗に気づけたか確認してみてほしい。 Intro

    ジョセフ・ヒース「初心者を経済学に入門“させない”方法」(2015年1月14日)
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    wxitizi 2024/10/09
    "市場への支持は経済分析から導かれた結論であって、経済学の前提ではないはずだ" "基本前提として提示してしまったら、元から市場支持に乗り気なわけではない人は、経済学の議論に一切耳を貸さなくなってしまう"
  • ノア・スミス「中国,マクロ経済の現実に目覚める」(2024年9月30日)

    2週間前の記事で,中国が総需要不足に苦しんでるって話をして,解決法も論じておいた(日語版).その解決法とは,中央政府が A) 銀行と地方融資平台に救済措置をとることと,B) 財政・金融の両方で刺激策を打つことだ. ひょっとして,習近平がぼくのブログを読んだのかもね [n.1].中国は,もっと格的な刺激策を打ち出している: この火曜に,中国人民銀行は,世界中に生中継するという珍しいかたちをとって記者会見を開き,市場心理に息を吹き返させるための先陣を切った.いわばこれまで温存していた武器庫を開いて,株式市場に資金を投入し,借り入れコストを引き下げるという.その翌日にも引き続き前向きなニュースを提供した.すなわち,市中銀行を対象とする1年間の融資の金利〔政策金利〕を記録的な下げ幅で引き下げつつ,政府が異例の現金給付を実施するとともに,仕事のない新卒者の一部を対象に補助金を出すことを発表した.

    ノア・スミス「中国,マクロ経済の現実に目覚める」(2024年9月30日)
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    wxitizi 2024/10/04
    習近平体制になる前は中国の金融政策ってそこそこ評判良い方だった(米国帰りの人たちの影響とも言われていた)けど、その地力が見られるんかな。
  • アダム・トゥーズ「円キャリートレードと世界の為替・株式市場の混乱」(2024年8月5日)

    ここ数日、金融市場での目を見張るような動きが世界中で(アメリカ、日、新興国市場の間で跳ね回って)波及している。 一連の劇的な動きはすでに先週から始まっている。これは、広大な世界金融の強固な基盤とされているアメリカの国債市場が動いたことだ。アメリカの恐怖指数(VIX)は、コロナショックの2020年と〔リーマンショックの〕2008年の水準まで急上昇した! 恐怖指数(VIX)は現時点で65で、金曜日の終値の23から上昇している。この数値が維持されれば、1日の上昇率としては史上最大となり、終値としては過去最高の部類の一つとなる。インプライド・ボラティリティ [1]訳注:オプション取引での将来ボラティリティの予測値 が今回と同水準になったのは、2008年10月・11月と、2020年3月だ。 これは大げさに見えるかもしれないが、潜んでいる不確実性の水準を如実に示している。そして、月曜の日市場の衝撃

    アダム・トゥーズ「円キャリートレードと世界の為替・株式市場の混乱」(2024年8月5日)
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    wxitizi 2024/08/12
  • ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)

    通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日のように一人あたり GD

    ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)
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    wxitizi 2023/11/29
    労働年齢人口あたりのGDPで見たときにその伸びが日本が他の国々に勝っている理由として、(特に足下では)分子のGDPには65歳以上の産出も含まれる一方で、分母の人口には15-64歳しか含まないというのが大きいんでは。
  • ジョセフ・ヒース「白人のマウント合戦:コフィ・ブライトの仮説を拡張する」(2023年8月25日)

    アメリカでは人種的正義を求める闘いに馳せ参じれば並外れた文化的名声を獲得できるため、世界中で模倣者を惹きつける傾向を生んでいる リーアム・コフィ・ブライトが『Journal of Political Philosophy(政治経済学ジャーナル)』に最近投稿した論文「白人のマウント合戦」での、アメリカの人種政治についての見解を大いに楽しませてもらった。まず最初に、この論文は査読の通過がほぼ不可能な形で執筆されているため、無事掲載されたこと自体に驚かされた。アカデミアにおける哲学論文は、査読者全ての怒りを鎮めることで、あたかも委員会によって書かれたように見えてしまう問題に悩まされている。さらに重要なのが、私見だが、アメリカ文化戦争に、ブライトのようなイデオロギー的に客観的なスタンスを示すことの極めての有用性である。 ハッキリ言っておくが、私はブライトの見解のほとんどに同意できない。しかし、彼

    ジョセフ・ヒース「白人のマウント合戦:コフィ・ブライトの仮説を拡張する」(2023年8月25日)
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    wxitizi 2023/09/27
  • ノア・スミス「脱成長:いらないよそんなの」(2023年5月24日)

    貧困と衰退を称えてみたって環境や貧しい人たちの助けになんてならない 1年半まえ,「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」ってタイトルの記事を書いた〔日語版〕.あの頃,脱成長運動はアメリカでちょっとだけ注目を集めつつあった.気候変動に対抗する主要な行動をすすめようとする人々の後押しの一環としてだ.でも,エズラ・クライン,ブランコ・ミラノヴィッチ,ケルシー・パイパーといった著作家たちが意見を言葉にして,この考えを批判した.要点をかいつまんでいうと: クラインの指摘――〔脱成長で求められる〕生活水準の大幅な低下は,豊かな国々では政治的に受け入れられそうにない. ミラノヴィッチは次の点を論じた――世界規模で意味のある脱成長が実現されるには,豊かな国々をこえて運動が広まらないといけない.他方で,脱成長のためには,貧しい国々が貧困から抜け出すのを止めなくてはならない.これは,政治的に実現

    ノア・スミス「脱成長:いらないよそんなの」(2023年5月24日)
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    wxitizi 2023/09/05
  • コーエン・N・チューリング「ケインジアン vs マネタリストの区別はもはや時代遅れである」(2023年5月23日)

    この記事では、ケインズ主義とマネタリズムの区別は、(共にワルラス経済学に依拠していることから)現代のマクロ経済論争を理解する上で、時代遅れであると論じる。今、有用な区別は、(ケインズ主義とマネタリズムの統合からなる)新古典派連合(Neoclassicals)と、新オーストリア学派の区別である。この区別は、経済における公的債務の役割についてのそれぞれ異なる見解に立っている。 先週、ロバート・ルーカスが亡くなった。彼の研究は、マクロ経済学に永遠の変化をもたらした。「合理的期待」という考え方は、マネタリズムとニューケインジアンの発祥の地であるシカゴ大学やMITで使われているマクロ経済学モデルに浸透している。この記事では、ケインズ主義とマネタリズムの区別は、(共にワルラス経済学に依拠していることから)現代のマクロ経済論争を理解する上で、時代遅れであると論じる。今、有用な区別は、(ケインズ主義とマネ

    コーエン・N・チューリング「ケインジアン vs マネタリストの区別はもはや時代遅れである」(2023年5月23日)
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    wxitizi 2023/06/27
    (自然利子率との比較でなく)感覚的に、中銀は低金利政策を行っててそれがゾンビ企業を生んでると言う人達、よく自身を市場信奉者のように語るが、実は市場メカニズムによる効率的な資源配分を信頼してないという皮肉
  • ブラッド・デロング 「マーティン・ウルフは経済学の理解が深い」(2010年9月27日)

    それとは対照的に、ジョン・コクラン(John Cochrane)はというと・・・。 コクランがポール・クルーグマン(Paul Krugman)に不満をぶつけている。その理由はというと、自分の発言をクルーグマンに「正確に」引用されたからだという。 クルーグマンは増える一方の敵に泥を投げつけていると指摘しているのは、シカゴ大学のジョン・コクラン。「議論するなかれ。中傷せよ。昔のインタビューから相手が恥ずかしがるような発言を見つけ出してきて引用せよ。・・・ってなわけだ。ポール殿の幸運を祈るばかりだ。ただし、貴殿がやっていることが経済学と関わりがあるかのようなフリだけはしないでもらいたい」。 「恥ずかしくなるような過去の発言」を引用されたのどうのというのが問題なんじゃない。コクランは、初歩レベルの間違いを何度も繰り返し犯して、論争のレベルを引き下げている。無知を晒してばかりいる。そこが問題なのだ。

    ブラッド・デロング 「マーティン・ウルフは経済学の理解が深い」(2010年9月27日)
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    wxitizi 2023/04/10
    経済は道徳談ではないですから、『家計部門、法人部門、政府部門、海外部門のそれぞれの資金過不足(収入と支出の差)を合計するとゼロにならなければならない』みたいな制約が存在してしまいますよね。
  • ビル・ミッチェル「市場関係者を歯牙にもかけなかった黒田日銀は正しい(正しかった)」(2023年1月26日)

    銀行関係者による「インフレに対処するために金利を上げなければいけない」といった主張は、どんな場合でも、彼らの所属する金融機関が金利上昇で恩恵を受ける事実からのポジショントークであることは間違いない。 世界中で(日銀を除く)中央銀行が金利を引き上げ始めて9ヶ月ほど経過した。これは、中央銀行はインフレ圧力への対処として金利操作を活用し、財政政策はインフレと戦うために(とにかく財政黒字を目指して)金融政策を支援すべきだ、とする主流派経済学への回帰の表れに他ならない。〔主流派経済学の見解によるなら〕中央銀行は、何らの「将来予測」の見解を作り出してインフレを起こし、金利を引き上げてインフレ圧力を抑制できるとされている。結果、市場は失業率を安定物価と整合的な水準に引き上げるので、物価安定を通じて完全雇用が達成される、とされる。つまり、〔主流派経済学によって〕完全雇用は、労働者の就業要求に十全に応じられ

    ビル・ミッチェル「市場関係者を歯牙にもかけなかった黒田日銀は正しい(正しかった)」(2023年1月26日)
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    wxitizi 2023/04/09
    前任の白川元総裁が、なんか一度は強気に市場に中指立ててみるも、すぐに脅しのクレクレをやられて日和ってしまうタイプだったから、対比が大きかったね。
  • ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)

    By 稲ノ歯鯨 – Own work, CC BY-SA 4.0 2020年代は1990年代とはちがう BBC の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズが書いた,日についてのエッセイが広く話題になってる〔日語版〕.ぼくも読んでみたけれど,ひどくいらいらしてしまった.このベテランジャーナリストは――2012年から日に暮らして働いたすえに――日の印象をまとめている.彼によれば,日は停滞して硬直した国で,「ここに来て10年経って,日のありようにもなじみ,次の点を受け入れるにいたった.日は,変化しそうにない.」 でも,日に暮らしたことがあって,2011年以降も年に1ヶ月間ほどここに来て過ごすのを繰り返してる人物として,そして,日経済についてかなりの分量を書いてきた人物として言わせてもらえば,日はまちがいなく様変わりしてる.すごく目につきやすくて重要なところがあれこれ

    ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)
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    wxitizi 2023/02/02
  • ビル・ミッチェル「日銀は金融政策の方向性を変更していない。マスコミの利益相反記事に騙されてはいけない」(2022年12月22日)

    銀行が、10年物国債のイールドカーブ・コントロールの上限を微調整し(2022年12月19日発表)、ヒステリーが引き起こされた。想定の範囲内であるが、ヒステリーの内容は、無内容で、既得権益からの話題に終始している。投資銀行〔の関係者〕がマスコミに向けて、「喫緊のインフレに備えるために金利を上げなければならない」とオウムのように繰り返し、金融メディアが同語反復している。マスコミは、このオウム発言に晒されている一般国民に、こうした発言は、金融関係者が利益獲得のために金利を上げさせようとするポジショントークだと伝えることは一切しない。これがここ数日、マスコミによる金融関係者の提灯持ち記事が蔓延している理由だ。私の理解では、今回の決定は、金融政策の根的な変化を意味するものではない。中央銀行の最も重要な役割である、金融の安定性の維持を目的に、国債市場と社債市場間の仲介機能を微調整した些細な変化に

    ビル・ミッチェル「日銀は金融政策の方向性を変更していない。マスコミの利益相反記事に騙されてはいけない」(2022年12月22日)
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    wxitizi 2022/12/23
    今回の変更は軽微とも言えるけど、そういう話じゃないんだよ。なぜ黒田総裁が今こんな変更を行ったか、アコード改の話なんかと合わせ岸田総理の志向が見えたこと、それが次の総裁と金融政策の方針になるって話なのよ
  • ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)

    [Noah Smith, “The weak yen is an opportunity,” Noahpinion, November 24, 2022] じゃあ,なんで日はその好機を利用してないのさ? ぼくが日にはじめて暮らしたのは,2000年代中盤のことだった.当時,円の値打ちはすごく覚えやすかった――だいたい,1ドル=100円だったからだ.どんなものでも,日で値札を見かけたら,頭の中で100で割ってやればだいたいどれくらいの値段なのかつかめた. 「1ドルだいたい100円」為替レートの時代は,約30年続いた.そして,2022年3月に,なにかがブツンといった.円が下がりはじめて,10月には少しのあいだとはいえ1ドル150円にまで下がって,それから1ドル140円にまで少しもどした: Source: Xe.com ドルにかぎらず,日の実質為替レートはあちこちの貿易相手国に対しても下が

    ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)
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    wxitizi 2022/11/27
    交易条件が変わらない(例えば輸出入とも完全ドル決済だと円安なだけでは不変)なら国全体としては原油等の輸入し易さは変わらないし、円安を活かし海外で割引して利潤増となれば交易条件悪化しても購買力は増すよね。
  • サイモン・レン=ルイス「国家がなすべきことを変えずに国家を縮小させるのは経済学的に意味をなさない」(2022年11月1日)

    [Simon Wren-Lewis, “It makes no economic sense to keep shrinking the state without changing what the state is meant to do,” Mainly Macro, November 1, 2022] 前任のクワーテンによる法人税減税を取り消して所得税減税を無期限延期すると,新財務相のハントが発表した.その一方で,国民健康保険料の増額取り消しは取り消さなかった.これを受けて,「緊縮 2.0」の論議がずいぶんと盛んになっている.将来にありうる公共支出の削減に「緊縮 2.0」というラベルを当てはめるのが好ましいかというと,私はあまり自信がない.2010年以降になされた公共支出削減を「緊縮」と呼んだのは,いくらか理にかなっていた.というのも,よりによって景気循環の間違った時期に公共支出を

    サイモン・レン=ルイス「国家がなすべきことを変えずに国家を縮小させるのは経済学的に意味をなさない」(2022年11月1日)
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    wxitizi 2022/11/11
    原油高騰の影響を超えたインフレが起きてる状況で、公共サービスの不足が目につくなら、普通の話よね。/ "「削減以外に選択肢はない」という考えは虚偽にすぎない.他にもはっきりした選択肢はある.それは,増税だ"
  • タイラー・コーエン「イギリスにおけるポスト・コロナウイルスの超過死者数」(2022年8月21日)

    [Tyler Cowen, “Post-Covid excess deaths in Britain,” Marginal Revolution, August 21, 2022] 過去15週のうち14週で,イギリスとウェールズにおける週当たり超過死者数は平均でおよそ 1,000名を記録した.そして,こうした死者の誰ひとりとして,コロナウイルスによる死者ではない. 現在の趨勢が続けば,コロナウイルスを原因としない超過死者数は,まもなく年内にコロナウイルスによる死者数を超えるだろう――しかも,オミクロン株の感染拡大以上に命をおびやかすものとなるだろう. では,いま,なにが起きているのだろうか?専門家たちの考えでは,パンデミック最初期にイギリス政府が下した各種の意思決定が,いま,裏目に出ているのかもしれないのだという. 人々を自宅にとどめ,病院に来ないように脅かし,治療や初期診療を受けさせない

    タイラー・コーエン「イギリスにおけるポスト・コロナウイルスの超過死者数」(2022年8月21日)
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    wxitizi 2022/08/22
    感染者数だけでなくコロナ死者数に関しても、まともなデータをもう取らなくなったってこと無いのかな。自宅で死んでいたら、コロナかを確認せず別の死因になるとかの。
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
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    wxitizi 2022/05/24
    "再分配をするといってもそう大したことはできない.よりよい福祉国家になっても,低所得の日本人は,ドイツやイギリスやフランスの似た境遇の人たちにおよばないだろう.なぜって,単純に日本の方が貧しい国だから"
  • ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)

    ウォーク政治活動を理解する上で最も重要なのは、これは伝統的なタイプの「反自由主義」とは異なっており、「反自由主義的リベラリズム」の一種であると考えた方がよいということだ。 Joseph Heath: Woke tactics are as important as woke beliefs Woke language hides illiberal tactics in liberal aims Posted by Joseph Heath on June 23, 2021 ここ数年、進歩主義を装った反自由主義が世を覆いつつあったが、ついにアメリカリベラルたちは団結して行動を起こし始めた。リベラルたちは、「ウォーク」〔woke、社会問題に対して目覚めた(=wake)人々を指す〕の政治活動やイデオロギー的影響力の拡散を阻むために、いくつかの組織を創設したのである。〔ウォークと戦う〕リベラル

    ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)
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    wxitizi 2021/11/27
    "表現規制を推進するウォーク左派は、この抜け穴を、非常に積極的に利用してきた。彼らは自身の好まないものに出会うと、内容に基づいて検閲を求める代わりに、それが危害の原因になるとの理由で規制を行おうとする"
  • ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)

    [Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021] 脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ. 「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチ,ケルゼイ・パイパー,エズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう. ただ,その前にまずは,標準的な主張を見ておこう.そうす

    ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)
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    wxitizi 2021/09/22
    だいたいの場合、成長というものへの認識がステレオタイプなんだよね。
  • ノア・スミス「最低賃金への反論を考える」(2021年1月27日)

    [Noah Smith, “The minimum wage pushback,” Noahpinion, January 27, 2021] もっともな懸念もあれば,そうでもない懸念もある 2週間ほど前,連邦最低賃金がかなり安全な政策である理由について長文の記事を書いた〔翻訳〕.あのあと,最低賃金懐疑派の人たちから手厳しい反論が出てきた.なかには,ぼくの同僚もいる.そうした反論は,ただ罵倒して却下するのではなくまじめに取り上げる値打ちがある.そこで,反論をひとつずつ取り上げていこう.ただ,まずは,政策全般について,費用・便益・リスクの話をしておきたい. 費用・便益・リスク 最低賃金をめぐる議論の大半は,その政策がもたらしうる費用の話が中心になっている――とくに,最低賃金によって失業が引き起こされるのかどうか,という論点がある.これは,ものすごい悪手に思える.一般に,どんな政策であろうとか

    ノア・スミス「最低賃金への反論を考える」(2021年1月27日)
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    wxitizi 2021/02/13
    "実のところ互いに意見がそれほど異なってはいないかもしれない.最低賃金の額が大きいと労働者の一部グループにはすごく悪く出るかもしれないけれど,低賃金労働者全体にとっては,すごく有害ってわけではない."
  • ノア・スミス「時給15ドルの最低賃金がかなり安全な理由」(2021年1月15日)

    [Noah Smith, “Why $15 minimum wage is pretty safe,” Noahpinion, January 15, 2021] 最低賃金について経済学者たちが考えを改めた理由 1994年に,デイヴィッド・カードとアラン・クルーガーが画期的な研究を発表した.最低賃金を大幅に引き上げても,(大半の経済学者の予測に反して)失業が増えないというのが,その内容だった.カードは,多くの同僚たちに能動的に無視された.彼らは,最低賃金が雇用をつぶすという理論に深く傾倒していた: 「どんなところでも賃金をいかなる水準にでも設定できる自由な裁量を人々に与えているのだ」と我々の研究に反対した経済学者たちは考えて,気分を害した.(…)その後,私は最低賃金の研究文献から距離を取った.理由はいくつもある.第一に,最低賃金の研究の対価として,私は多くの友人を失った.たとえば,長年つき

    ノア・スミス「時給15ドルの最低賃金がかなり安全な理由」(2021年1月15日)
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    wxitizi 2021/01/21
    "「最低賃金は雇用をつぶすか?」という問いには,明確でいつでも変わらない答えがないってことだ.答えは,最低賃金がどれくらい高いかでちがってくるし,賃金の趨勢がどれくらい高いかでちがってくるし"
  • ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」

    Paul Krugman, “Why Economists Worry About Population Growth,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Demography and the Bicycle Effect,” May 19, 2014;”Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] なんで経済学者は人口成長を気にかけるの? by ポール・クルーグマン Edwin Koo/The New York Times Syndicate 経済学者アルヴィン・ハンセンが「長期停滞」(secular stagnation) の概念をはじめて提案したとき,彼は投資需要の低迷に人口増加の鈍化が果たす役割を強調した. 現代の議論は,この強調点をふたたび取り上げるようになっている:日の労働人口減少は,あの国が抱えるいろん

    ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」
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    wxitizi 2014/06/01
    人口増の局面で投資が加速度的に加熱して実質金利上げでの制御が不可能になることがないように、人口減の局面での投資の加速度的な冷え込みも実質金利下げで対応可能なのは当然。ただそのためには高インフレが必要。
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