彭宇事件(ペン・ユー<ポン・ユー、ほうう>じけん、Peng Yu事件)は、2007年4月1日に中華人民共和国の南京地区裁判所に提起された民事訴訟であり、徐寿蘭対彭宇事件または南京彭宇事件とも呼ばれている。転倒した老人が、自らを助けた男性に損害賠償を求める訴えを起こし、裁判で訴えが認められた本事件は、中国国内で人助けを行うリスクという懸念からモラル・ハザードを引き起こし、道路上で倒れている人を見捨てるようになり、遂には見殺しにする事態が発生するまでに影響した[1]。 2006年11月20日、南京市のバス停で転倒した徐寿蘭(Xu Shoulan、当時64歳)を発見した彭宇(Peng Yu、当時26歳)が、その老婆を救助し病院まで送り届け、診療費まで建て替えたものの、その後、徐から加害者として訴えられ、損害賠償金13万元を求められた[1]。 裁判では原告の訴えが認められ、徐の損失の4割に相当する