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ブックマーク / www.ebook2forum.com (35)

  • 米国大手E-Bookの図書館開放で前進 – EBook2.0 Magazine

    5大出版グループの一角、マクミラン社は10月17日、E-Bookの既刊1万1,000点以上をすべて図書館への貸出に提供すると発表した。これまではミノトール・プレスのタイトルを試験的に供してきただけだったが、新刊と最近刊 (front list) を除くすべてが貸出されることになる。大手出版社のE-Book貸出方針は開放に向かっているが、なお無意味な制限を付けているものが少なくない。 既刊は、図書館への配信を行っているOverDrive、3M、Baker & Taylor、Recorded Booksの各社を通じて行われる。金銭的な条件についての変更はなく、価格25ドルで、2年間もしくは貸出回数で52回のいずれか早いほうと設定されている。安くはないが、とりあえず配信会社は歓迎している。これまで2年間、提供を停止してきたペンギンは9月26日、フロントリストを18.99ドル、バックリストを$

  • 和本論からE-Bookへ(6):Gのブラックホール

    Humanities(人文学)は、古典古代からの伝統ある学問分野なのだが、科学主義の波に乗って社会科学が「分離独立」して以降、生彩を失って久しい。社会に次いで人間まで「科学」として分離されてしまっては、文献以外に頼りとするものがなくなり、読者も減って、かつての諸学の王たちも見る影もなくなった。電子人文学 (Digital Humanities)はその限界を打ち破り、さらに公共電子人文学とすることで社会性を獲得することを目指すという。ではそれはや出版とどんな関係にあるのだろうか。 人文学の凋落と知の迷路 人文科学とも訳される人文学は、来は人間とその行為および社会を対象とする学問全般を指すが、今日では、主として文献に依拠する哲学、神学、宗教学、倫理学、文学、美学などに対して用いられている。人文学はと関係が深い。西欧では古典、中国では経書があり、まず読むべきものとされてきた。そればかりでは

  • 和本論からE-Bookへ(5):学術版と公共的読書空間

    小林(龍生)さんの困ったところは ―もちろん最大の長所なのだが― 面白いネタと手掛かりを人の前に投げ出し、こちらがとびつくと、すぐまた別のものを目の前にちらつかせるところだ。来月号の入稿が迫っている時に、一刻も待てない別のアイデアを持ってこられる。漫談にはあまりに惜しく、こちらは何か成果をモノにしないといけないと思うから、メモリもCPUもOSも旧式な頭にウィンドウが次々に開いて困惑するほかない。今回はほとほと参った。せめて記憶が鮮明なうちに、「実感と断定」という最も素朴な方法で印象をメモしておきたい。 各テーマ(=ノード)の関連を整理するには、対象がすべて写るようにピントと絞りを調整すると同時に、個々の立体的位置関係を再確定しなければならない。そんなことを気でやったら10年はかかりそうなので、仮説に仮説を繋ぎ、端切れを接ぎ合わせて大風呂敷をつくり続ける羽目になる。村田(真)さんからは、い

  • 和本論からE-Bookへ(4):出版のエコシステムとは

    前回述べた、脱グーテンベルク(G)研究会の方向性をもう少し敷衍してみたい。和エコシステムを生成・発展・消滅というライフサイクルで見たことで、エコシステムを成り立たせているもの、時には消滅にも導くものに目を向けることになった。これは紙の大量生産と紙製品としての書物の消費の上に成立してきたG的エコシステムの行方をどう予測し、どう対応すべきかを考えるのに役立つ。(鎌田博樹) 和を通じてグーテンベルクの銀河の発展的継承を考える これまで筆者は、出版をエコシステムとして考え、活字・機械印刷・冊子として特徴づけられるグーテンベルク以後のエコシステムを構想しようとしてきたのだが、和の世界に触れたことで    かなり見方が変わってきた。これまでは(書物)とその制作、流通に関わる主体を中心に見て、デジタルにおけるその組み替えというほうに目が行っていたのだが、千年あまりの命脈を保った和エコシステム

  • 和本論からE-Bookへ (1):書物としての絵巻

    橋口和論(と呼ばせていただく)から受けた重要なヒントは多く、簡単には整理できない。こういうときは整理を後回しにして、記憶が薄れないうちにインスピレーションをそのまま書きとめ、浮かんでくるアイデアをランダムに書き綴っていくしかない。和の世界はデジタルと親和性があり、その復興が出版の21世紀を創造的なものにするという確信は、今年最大の収穫であった。和は世界的な文化遺産にとどまらず、出版とテクノロジーのあるべき方向を示している。(写真は奈良絵『ゑほしおりさうし(烏帽子折草紙)』) 絵巻は絵画(painting)か書物(book)か 橋口さんの講義は絵巻物から始められている。絵巻は書物(book)として扱うべきだ、というのだが、これは容易ならざることだ。現にWikipedia(1)には「絵巻物は、日の絵画形式の1つで、横長の紙(または絹)を水平方向につないで長大な画面を作り、情景や物語な

    xiaodong
    xiaodong 2012/12/30
    うーむ
  • 和本が拓いてきた世界 2 ─ 書入・注釈/橋口 侯之介

    橋口・和論の完結編は「書入と注釈」を取り上げる。コメントとアノテーションは、知識コミュニケーションの装置としてのの機能の最も重要な側面だ。そして和は非常にユニークな方法でソーシャルな空間を共時的、通時的に実現してきた。絵巻と黄表紙がマンガやアニメの祖型としたら、漢籍を拡張した「書入と注釈」はハイパーテキストの祖型であると思われる。だからこの祖型は、デジタルに、創造的に蘇らせることができるだろう。(編集子解題) 1. 装置としての書物:読み解かれることで再生産される知 和に対すると、テクストを受け入れるという意味での「読む」ことは、書物の持っている目的の一部分にすぎないことがよくわかる。作品をテクストという視点からだけで見てしまうと、書物の果たした役割が見えなくなってしまう。このことは書物がたんなる原典の複製的役割を持つだけでなく、さまざまな加工を施すことで、さらに進んだ別の世界に人

  • 書物における明治二十年問題/橋口侯之介 – ページ 3

  • 米国にもある“自炊代行”:Bound Book Scanning – EBook2.0 Magazine

    電子版が入手できないをデジタル化してE-Readerで読みたいというニーズは普遍的なもので、「自炊代行」はどこにでもあるはずと考えているが、ニューヨーク州エアマウント市にあるBound Book Scanning (BBS)は、一般消費者向けに非破壊型(non-destructive)スキャニング(画像PDF)とOCRを使った編集可能ファイル(Word/TXT/RTF)、オーディオファイル作成までを行う。2010年に創業した新興ビジネスだ。 現在、有償で100万点、無償は200万点ほどがE-Bookとして営利/非営利サービスで提供されているが、もちろんこれはこれまでに蓄積された膨大な刊行書籍の一部に過ぎない。BBSは、そうした“未電子化”を対象に、主に個人が所蔵するのコンテンツを電子ファイルに変換して提供するサービスだ。業務用ではなく個人用にフォーカスしたスキャン代行はそう多くないよ

  • アマゾンは出版社の敵か味方か:もう一つの見方

    アマゾンはKindleの日開店を延期(EB2 Magazine, No. 2-15)したようだが、難航する交渉の背景には、出版社の抜きがたい警戒心がある。デジタル時代をひた走り、すでに比率が20%を超えたと思われる米国でも、最大の書店アマゾンに対する警戒、あるいは憎しみは高まっている。アマゾンは出版社にとって何なのか。これまで大手関係者の声ばかりが伝えられてきたが、そればかりを聞いていては認識を誤るだろう。 今年も欧米出版界の最大のキーワードは「アマゾン」だった。アマゾンはKindleをばら撒いて価格破壊を進め、図書館に貸し出し、街の書店を“ショールーム”に使って顧客を奪い、有名作家と独占契約して出版事業を立ち上げた。著作権者と消費者以外のエコシステムを無視するかのような行動は、プレデター(捕者)のように言われることが少なくない。しかし、アマゾンは同時にデジタル出版市場を創造し、自主出

  • Kindle年内日本開店を見送り、来春以降へ延期 – EBook2.0 Magazine

    共同通信英語版は12月27日、アマゾンが日でのKindleストアの年内開設を断念し、来春に延期したと報じた(以下英文毎日の記事による)。業界関係者によれば、小売価格の決定権を巡る出版社との交渉が難航しているのが理由という。現状では十分な日語タイトルを揃えられず、来年春が次のターゲットとなるようだが、“原理的対立”があるとすれば、決着はさらに延びる可能性もある。出版社にとって、時間が無限にあるわけではない。相手のほうが選択肢が多いからだ。 日で「最大の書店」としての存在感を発揮しているアマゾンは、E-Bookについても1年以上前から交渉を始めているが、今年も空振りになることがはっきりした。アップルiBooks、Googleもまだ参入しておらず、ガラパゴス状態は続く。 紙と電子のリンケージは不合理である 記事によると、アマゾンは、出版社が求める「固定価格による委託販売制」ではなく、「書店

  • 米国BISGがE-BookのISBN指定の指針 – EBook2.0 Magazine

    米国の出版業界のシンクタンクであるBook Industry Study Groupは、E-BookのISBN指定に関して生じている混乱を解決するため、1年半に及ぶ成果をベストプラクティス(推奨手順)としてまとめ、Policy Statement (指針)として公表した。これは北米の標準化機関や出版関連団体の推薦を受けており、2012年3月までに出版社に採用されることが期待されている。 指針の策定に当たったBISGのIdentification Committeeのフィル・メイダンス委員長(アシェット・ブック・グループの出版標準・慣行担当)は、「実世界の事例や応用に基づいた実践的な勧告を作成することが出来た。E-Bookはまだ進化しているので、勧告をさらに改善して、デジタルブックをどのように同定すべきかという課題に対し、実践的で柔軟な指針をつくっていく」と述べている。 新指針は、過去の4つ

  • [寄稿] 雑誌の解体と再生/小笠原 治

    E-Bookの場合は、単純に売上が伸びて出版事業を支えるようになれば問題の大半は解決するのだが、複雑なビジネスモデルの一部として成立し、消費市場を前提に存在してきた雑誌は、それだけではすまない。困ったことに、活字文化の多様性を体現する雑誌は、特異な位置を占めてきた。書籍とのインタラクションも重要な役割だ。日の場合、雑誌の衰退は、欧米以上に出版全体における意味が大きい。MEDIVERSEの小笠原治氏は、雑誌再生のカギを握るビジネスモデルを5つに整理し、検討を加えている。Forumでの今後のディスカッションの出発点として掲載させていただいた。 一般社団法人メディア事業開発会議(MEDIVERSE) 代表理事 社団法人日印刷技術協会(JAGAT) 客員研究員 小笠原 治 問題提起 20世紀の日人のライフスタイルは雑誌やTVというマスメディアが作り出してきた。両者はよい補完関係にあって、TV

  • 米国アカデミー出版がPDF版全面無償化

    米国ナショナル・アカデミーズ・プレス(NAP)は6月2日、すべての刊行書籍のPDF版を無償で提供することを発表した。これにはNAPの現行カタログにある4000点以上の書籍と将来刊行される報告書が含まれる。NAPは最も権威がある全米科学アカデミー、工学アカデミー、医学研究所、国立研究機構の学術4団体の出版部門で、「財務の健全性を損なわない範囲で、研究機関のコンテンツを可能な限り広く普及させる」ことを使命としている。1994年以来電子的コンテンツの提供を行っており、開発途上国に対しては無償で提供されてきた。 NASは一部の書籍のPDF版を無償にする実験的な取組みを行っており、ダウンロード数や印刷版への影響について厳密に評価してきた。今回の決定は、少なくともPDF版の無償化が印刷版の販売に影響を及ぼさないと判断したことになる。バーバラ・クライン・ポープ理事長は、「ビジネスモデルを進化させた結果、

    xiaodong
    xiaodong 2011/06/06
    「今回の決定は、少なくともPDF版の無償化が印刷版の販売に影響を及ぼさないと判断したことになる。」
  • IDPFがePUB 3正式版をリリース – EBook2.0 Magazine

    IDPF理事会は5月23日、ePUB 3の草案を正式に承認し、ニューヨークで開催されたIDPF Digital Book Conferenceで、ビル・マッコイ専務理事から発表された(仕様書→IDPFのサイト)。Webの現世代の仕様を取り入れ、動的コンテンツに対話できるようになったほか、マルチコラムもサポートされ、名実ともにE-Bookの標準としての水準が高まったが、とくに日にとっては、世界中の製品に広く実装されるデファクトの国際標準において日語組版仕様が初めて制式化されたことに意義がある。これによって出版市場はグローバル化に向かって大きく一歩を踏み出すことになる。標準によって一挙に世界が変わるわけではないが、進む方向は確実に変わった。 グローバルな問題解決:アクセシビリティから言語環境、数式(MathML)まで ePUB 3については、誌でも様々な角度から取上げていきたいが、この標

  • 読む環境としてのiPadと印刷紙を比較する

    UI/UXに関する調査・コンサルティングを専門とするフランスのMiratech社は、新聞を例に、紙との対比でみたiPadの認知心理学的特性に関するサーベイを行いホワイトペーパーを出して、かなり有益な事実を明らかにしている。この新しいメディア・デバイスは、かなりユニークな特徴を持っていて、これを通じて得た情報は、記事の数で多いものの表面的で、印象は薄い。広告の熟視率は同じ、とのことだ。情報を探すには一覧性・選択容易性が必要になり、読むには集中性/維持性が必要になるが、これらはトレードオフの関係にある。当たり前のことだが、万能なものはない。 タブレットによる情報摂取は「表面的」 このホワイトペーパーは、結果の一部を公開したもので、残りはカスタマーに提供されるものだが、eBookAnoidというブログで要約している公開部分だけでも知っておいて損はないと思われる。実験は、iPadユーザーを被験者

  • 米国電子公共図書館(DPLA)構想始動 – EBook2.0 Magazine

    米国ハーヴァード大学のBerkman Center for Internet and Societyは12月13日、米国電子公共図書館 (Digital Public Library of America, DPLA)設立のための調査と計画立案を同センターが中心になって推進することを発表した。A.P.スローン財団の資金援助を受け、電子公共図書館の目的、構造、コスト、運営などを定めるために、広汎なステークホルダーを招集し、2011年から活動を開始する予定。教育関係者、公共図書館文化機関、連邦政府と自治体、出版社、著者、民間企業などが招集される。(写真はハーヴァード大学図書館) 電子公共図書館構想(つまり公的機関が保有するオンライン情報資産への一般市民のアクセスの改善)は数年前から提起されていたが、なかなか具体化しなかった。同じく図書館の蔵書の電子化を進めていたGoogleとの関係もあり、ま

  • 関連リンク集 : EBook2.0 Forum

    電子ブックに関連する情報リンク集です。仕事、研究、学習にお役立て下さい。 協会/団体リンク 日電子出版協会(JEPA) コンピューターエンターテインメント協会 日印刷技術協会(JAGAT) 日書籍出版協会 日雑誌協会 デジタルコンテンツ協会 版元ドットコム 日フォーム印刷工業連合会 日電子書籍出版社協会 デジタル教科書教材協議会 専門メディア/ブログへのリンク Ars Technica BestTabletReview BISG Booksquare Compete.com Current Awareness Report DIgital Book World Digital Media Literacy Lab eBook 2.0 (Β) eBookNewser engadget日版 FETMAT Journal GigaOM IBPA homepage IDPF if:b

  • E-Bookと印刷業 (6):デジタル時代こそ創造的協調

    鎌田の「デジタルプラットフォーム」論にたいする中西秀彦氏からの返信。「攘夷か開国か」「勝つか負けるか」という単純な「ますらお」発想にたいして、「電子書籍格化すれば、印刷と出版編集それに著者が対等な立場で協力し合いコンテンツをつくりだすという時代が来る」と考える「たおやめ」発想の重要性を、日的な特殊性を踏まえて説いておられる。印刷会社の課題は、これでとても鮮明になった。むしろ問題は、出版社がデジタル時代の新しい編集、づくり価値を提示できるかどうかだ。 デジタルの新千年紀は「たおやめ」流でしなやかに生き残る 中西秀彦 出版と印刷との日的関係の先にあるもの:出版社は必要か? 京都人へのご評価ありがとうございます。おっしやるとおり、京都人は、数の力で圧倒したり、論理でねじふせたりすることは好みません。京都は平安貴族の昔から、すべてを受け入れていく「たおやめ」の文化です。ところが、今の文化

  • 総務省「出版物利活用推進懇談会」資料

    総務省「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」のワーキングチームの配布資料へのリンクを掲載しています。 ◆懇談会 第1回(平成22年 3月10日) 報道発表 議事要旨 第2回(平成22年 6月8日) 配布資料 資料1 野口構成員提出資料(電子書籍配信事業に関する事業企画会社設立について) 資料2 技術に関するワーキングチーム第1次報告(案) 資料3 技術に関するワーキングチーム第1次報告(案)概要 資料4 出版物の利活用の在り方に関するワーキングチーム第1次報告(案) 資料5 出版物の利活用の在り方に関するワーキングチーム第1次報告(案)概要 第3回(平成22年 6月22日) 配布資料 資料1 高井構成員提出資料(日の書店発の電子書籍流通) 資料2 デジタ ル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会報告(案) 報告書(平成22年 6月2

  • ソーシャル・パブリッシングとは何か:共有即出版

    誌のスタンスは、出版とは情報を共有可能なものとすることが基、ということ。何を売りたいのか、情報を普及させたいのか、かチラシか、文学かマンガかなどはすべて二次的なことと考える。デジタル時代はそれを常識としないと判断を誤る。出版はWeb時代のビジネスのメタモデルとも言えるものだ。個別のビジネスモデルは、そこからいくらでも生まれてくる。今回取上げる「ドキュメント・リポジトリ」あるいは「ソーシャル・パブリッシング」サービスもその一つだ。 情報共有は出版の第一歩 Webサービス、ファイル共有、流通プラットフォーム、ソーシャルネットワーキング…。これらはすべて「出版」と関係があり、それをサポートするビジネスとして構成することが可能だ。ドキュメント・リポジトリ(文書共有)サービスは無数に存在する。その中で Scribd とDocstoc が突出しているのは、「共有」を「出版」あるいは「ソーシャル・