『東方学』121、2011年1月掲載、同誌102-119頁。 「五 『太平記演義』の意義と『水滸伝』」から抜き書き。 『太平記演義』は単に日本人が中国語、しかもすでに親しんでいた文体で創作を試みた小説としてではなく、日本人に中国の口語がどのように使われているのかを学習させる語学的目的、「水滸伝」のような俗語小説の理解を広めるという文芸的目的を兼ね備えて構想されたものとして日本における中国語小説受容史のうえに位置付け評価するべきであろう。 (117頁。原文旧漢字) この認定は、そこに至るまでの同作品の文体分析の結果を踏まえて導き出されたもの。