『上原紀善詩集』 しなやかな身体リズム2012年5月6日 Tweet 上原紀善詩集(脈発行所・1200円) 「現代詩」はヨーロッパにあり、アメリカにあり、そして東京にありという時代が一世紀ほども続いてきたが、この頃はマイノリティーの反撃が足腰を据えてきた。その反撃の一角を切り開いてきたのが上原紀善の反骨である。 彼の詩は、日本語への同化政策によって冥界の隅に追いやられようとするウチナーグチのリズムを復活させる試みである。ウチナーグチのリズムは、知識人の計算された概念ではなく、生産現場の庶民の身体リズムである。 この詩集には、『開閉』『サンサンサン』『ふりろんろん』『原始人』『嘉手志』『燃える緑』『未完』の各詩集から選詩して収録してあるが、どの詩編にもウチナーグチのリズムが脈打っている。著者から詩集の寄贈を受けたお礼に、そのころ興味を持っていた「秀真文字」(ホツマモジ)のはがきを送った