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ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (8)

  •  「系統地理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    系統地理学―DNAで解き明かす生きものの自然史 (種生物学研究) 作者: 種生物学会,池田啓,小泉逸郎出版社/メーカー: 文一総合出版発売日: 2013/06/10メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 書は文一総合出版から出されている種生物学シリーズの一冊.14冊目ということになるようだ.カバー装丁はいつもの通り題材となる生物をあしらった村上美咲さんの上品なイラストを使っているが,背景がいつになく大胆な原色で,書店の店頭でよく目立つ.何か期するところがあるのだろうか.内容的には2010年に開かれた種生物学会シンポジウム「系統地理学は何をする」の内容を下敷きににして構成され,第1部では伝統的な系統地理学の実践的内容,第2部では浮動だけでなく淘汰を取り入れたリサーチ例,第3部では理論的な解説がなされている. 序章では「系統地理学」という学問分野の歴史が俯瞰されていて面白い

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    xnissy
    xnissy 2013/07/05
    読まなきゃ
  •  「ダニ・マニア」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ダニ・マニア―チーズをつくるダニから巨大ダニまで 作者: 島野智之出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2012/12メディア: 単行購入: 3人 クリック: 56回この商品を含むブログ (7件) を見る 書はダニ学者*1島野智之による熱く熱くダニを語った一冊.何しろ書名から「ダニ・マニア」なのだからその思い入れがよくわかる. 冒頭はいきなりフランスのチーズの表面にいてその熟成を助けるダニの話で読者をぐっとつかむ.ゆっくりカビで熟成させるタイプのチーズについてはダニがその菌糸をコントロールして熟成を助けるのだそうだ.著者はダニの分泌物も味の深みに一役買っているのではないかと書いている. そこからダニの多様性(昆虫には及ばないにしても様々な生態に適応放散している)を紹介し,ヒトとの関わりを説明する.人に悪さをするダニはダニ全体のごく一部にすぎない.人への害は,吸血,病気の媒介,アレルゲン

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  •  「種間関係の生物学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    種間関係の生物学―共生・寄生・捕の新しい姿 (種生物学研究) 作者: 川北篤,奥山雄大,種生物学会出版社/メーカー: 文一総合出版発売日: 2012/03/01メディア: 単行購入: 4人 クリック: 40回この商品を含むブログ (4件) を見る 書は種生物学会によるシリーズの最新作(なお正確には同日付で「森の分子生態学2」も出されているようだ).共進化も含む種間関係がテーマとなっている.いつも通り若手研究者を中心にした興味深い投稿がてんこ盛りになっている. 冒頭は岸田治によるオタマジャクシの補防御戦略について.エゾアカガエルのオタマジャクシはサンショウウオ幼生からの補に対しては膨満型(飲み込まれにくくなる),ヤゴ幼生に対しては高尾型(運動能力を上げる)に形態変化して補防御を行っている.この膨満型の写真が口絵に登場するが,確かにぷっくり膨らんでいて大変面白い防御方法だ.著者はこ

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  •  「新種発見に挑んだ冒険者たち」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    新種発見に挑んだ冒険者たち 地球生命の驚異に魅せられた博物学の時代 作者: リチャード・コニフ,長野敬,赤松眞紀出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/01/25メディア: 単行購入: 2人 クリック: 26回この商品を含むブログ (8件) を見る これはちょっとキワモノ風な記事や,熱帯から極地までハードな自然探索などの記事が得意のサイエンスライター.リチャード・コニフによる「命の危険もかえりみずに,世界中どこまでも出かけて新種の探索を行ってきた博物学者列伝」というべき書物.原題は「Species Seeker: Heroes, Fools, and the Mad Pursuit of Life on Earth」.というわけで邦題の副題「地球生命の驚異に魅せられた博物学の時代」ではわからないが,ちょっとヘンテコで偏執狂ぎみの博物学者が数多く登場するになっている. このような新

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    xnissy 2012/02/22
  •  「生命は細部に宿りたまう」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    生命は細部に宿りたまう――ミクロハビタットの小宇宙 作者: 加藤真出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/10/08メディア: 単行購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (7件) を見る 書は送粉系や生物多様性の研究者である加藤真による日列島のミクロハビタット生態系の紹介である.紹介されているのは,入り江の波打ち際,礫浜,砂浜・砂堆,草原,氾濫原,水田,森の土壌,石清水,せせらぎ,と様々なミクロハビタットだ.これらすべてが日列島にかかる話なので,ちょっと足を伸ばせばそこにあるという感覚で興味をそそられるという仕掛けになっている. 最初の3つのミクロハビタットは海岸にかかるもので,著者の専門でもあり詳しい.貝類や甲殻類についても当然様々な適応が見られるわけだが,個人的には礫や砂の中という環境に対して脊椎の数を増し,鰭の姿を変えるというハゼの適応が興味深かった

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    xnissy 2011/01/08
  •  ダーウィンの「種の起源」 第1章〜第3章 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    種の起原〈上〉 (岩波文庫) 作者: チャールズダーウィン,八杉龍一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/02/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 105回この商品を含むブログ (66件) を見る 年はダーウィン生誕200周年,「種の起源」刊行150周年ということで,北村雄一の「ダーウィンの『種の起源』を読む」に触発される形でダーウィンの「種の起源」をもう一度読んでみた.*1「世界の名著」なのだから当たり前だが,やはり読むたびに深い感慨にとらわれる.非常に深い思索に裏打ちされていることと,150年前の問題意識にしたがって書かれていることで,現代の読者にとっては簡単に通読するだけではなかなかその深さがわからない.しかし,より進化生物学をお勉強し,よりダーウィンの伝記などで当時の時代背景を理解して読むと,少しずつ深みがわかってくるのだ. とりあえず気づいたところをノートし

     ダーウィンの「種の起源」 第1章〜第3章 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    xnissy
    xnissy 2009/03/27
    「種の起源」ともども後で読む/ジャネット・ブラウン著「ダーウィンの『種の起源』」という本もあるのでややこしい
  •  「二本指の法則」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    指の法則―あなたの健康状態からセックスまでを語る秘密の数字 作者: ジョンマニング,John Manning,村田綾子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/11/21メディア: 単行購入: 5人 クリック: 94回この商品を含むブログ (3件) を見る ヒトの手の人差し指と薬指の長さの比が,実はヒトのいろいろな特徴の指標となっているという話は,最初はいかにも与太話のように聞こえる.私としてはあのトリヴァースが真面目に取り上げているのを見て考えを改めたわけだが,書は当初トリヴァースの共同研究者としてこの研究を始め,その後も追い続けている研究者ジョン・マニングによるである.原題は「The Finger Book」で2007年に出版されたもの.マニングにはこの前に「Digit Ratio」というも著していて,この話題に関しては2冊目のようだ. さてマニングは序章で自分の経歴

     「二本指の法則」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  ダーウィン展探訪 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    過日,上野の国立科学博物館でひらかれているダーウィン展 http://darwin2008.jp/ に行ってみた.ちょうど新緑の季節で上野の森は明るい緑色にあふれ,流れる風も心地よくさわやかだ.このダーウィン展はもともとニューヨークのアメリカ自然史博物館によって企画されたもので,その後世界を回っているのだそうだ.ダーウィンにかなり入れ込んでいる私としては見てくるほかはない. 最初の展示はダーウィン以前と以後の動物の分類の差異について示すという趣旨で,2つの系統分類がいろいろな動物の剥製や骨格標とともに示されている.ビジュアルに工夫が見られるところだが,ダーウィン以前にも相同関係は知られていたし,最近のDNA分析による系統樹とダーウィンは相当時代的には差があるところだ.まあ「進化」という概念についてまず示したかったという趣旨だろう. そこからはダーウィンの生涯をたどっていくダーウィン展の主

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