ある中央省庁の幹部は庁内でも有数の読書家で、時々広報誌に書評を書いている。専門書から小説までジャンルを問わず、「良かった」という本を勧められることも多い。そうなった理由は「子供のころ、図書館のヘビーユーザーだったから」。毎日のように図書館に通って片っ端から読んだと言う。 この話を聞いて学校図書館のことを思い出した。公立図書館は近くにないとなかなか行けないが、学校図書館なら子供たちは毎日利用できる。ところが、学校図書館では専任職員が年々減っている。大阪府立高図書館の実態調査(10年)によると、専任職員が配置されている学校は34%。兼務が多く、不在という学校も19%に上る。 専任がいない学校では臨時閉館が増えている。教員が忙しくて図書館を開けられないからだ。府立高で長年司書を務める女性は「図書館には勉強が苦手な子も来る。家庭環境に関係なく、自由に本を読める場は貴重だ」と話す。 更に、図書館に本