私の入学当時、国際基督教大学の学生の三分の一は女性だった。 女性は服装も華やかだから、三分の一でも学生の半分以上が女性のような印象を与える。私が入学した1959年は、日本で最初の少年向け週刊誌『少年サンデー』と『少年マガジン』が創刊された年として記憶されていよう。 私は三鷹駅から大学行きのバスに乗るとき、駅の売店で『サンデー』を買うのを習慣としていた(『マガジン』ではなく『サンデー』なのは、『サンデー』には手塚治虫の連載マンガがあったからだ)。 ある朝、『サンデー』を手にバスに乗ると、隣に英語のクラスで一緒の一年生の女性が座った。私が『サンデー』をひざに乗せていると、彼女はそっと手を伸ばし、雑誌を裏返しにした。つまり、私が子ども向きのマンガ週刊誌を読んでいることを、恥ずかしく思ったのである(大学生がマンガを読む――ということがマスコミの話題になるのは、何年も後のことだ。このとき雑誌を裏返し
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