私は、B29爆撃機が墜落するのを見たことがある。 1945年にはいると、日本軍は占領していた南方の島々を失っていた。サイパン島もそのひとつだが、アメリカ軍はサイパンの飛行場をすばやく整備、そこからB29爆撃機の編隊が日本に向かうようになる。サイパン島を発ったB29は、日本に近づくと富士山を目標に、そこから進路を東にとり、東京に飛ぶのだった。 B29は、プロペラを4つつけた大型の爆撃機で、超空の要塞(Superfortress)と呼ばれていた。それ以前にアメリカ空軍が使っていたB19は、空の要塞と呼ばれていたのだが、それを改良した世界最大の爆撃機だった。それを阻止する日本の迎撃機も工夫されていたようだが、巨大な爆撃機は、そんなものは歯牙にもかけないように、ゆうゆうと編隊を組んで東京上空に現われるのだった。 ある夜、私たちが防空壕から出て夜の庭にいると、なにか巨大な銀色に輝くものが、こちらにむ
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