米国に端を発する世界的金融危機の中で外貨準備高が引き続き減少を続けていることから、実際に使える外貨は十分なのかについて議論が起こっている。つまり政府がいつでも市場介入に投入できる実際の外貨準備はいくらか、ということだ。 一部の市場関係者は、「外債の構造を考慮した場合に実際に使える外貨準備高はわずか170億ドル(約1兆8000億円)」と主張した。これについて政府は「9月末現在の外貨準備2396億ドル(約25兆3000億円)全額を直ちに投入できる」と反論している。 ◆減少し続ける外貨準備高 「非常事態に備えた外貨」である外貨準備高は、今年3月の時点で2642億ドル(約27兆9000億円)だったが、その後は6カ月連続で減少を続けている。経常収支の赤字が続いている上に、7月以降は政府が為替介入に乗り出しているからだ。 米国の金融不安による需要の高まりでドルの調達が難しくなっていることから、