南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 思わずラストで涙をこぼしてしまった。 今回、取り上げるのはDCコミックの大作『フラッシュポイント』(ジェフ・ジョーンズ作 アンディ・キューバート画 秋友克也訳 ヴィレッジブックス)。アメコミである。今年は、DCのライバル出版社「マーベル」が、オールスター映画の傑作『アベンジャーズ』を発表したが、本作品はいわば、DCコミック版ヒーロー総出演の豪華作品だった。 世界最速の男フラッシュを主人公に、スーパーマン、バットマン、海底の王アクアマン、アマゾネスの王女ワンダーウーマン、それにグリーン・ランタンなどなど……いや、じつのところ、フラッシュもアクアマンも本作品で初めて知ったくらいで、そのすごさを完璧に実感することはできず、解説とにらみ合いながら読み進め