2022年3月31日、欧州大学協会(EUA)が、欧州の大学における研究データ実務に関するレポートを公開したことを発表しました。2021年7月に報告書が公開された、欧州の大学におけるオープンサイエンスについての調査のフォローアップであると述べられています。 報告書では、欧州の大学における、研究データ実務に対する重要性の認識と実際の取組状況、データストレージ・データリポジトリ・研究データ管理計画(DMP)ツールといったインフラの整備状況、研究者への支援サービスの実施状況と内容およびそのための人材や資金、機関レベルでの対応、COVID-19による研究データへの認識等の変化、などがまとめられています。 結論部では大学への推奨事項として、1)研究データ実務の支援方策を機関レベルで策定すること、2)研究データ基盤への投資を継続し、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)と連携する機会を検討すること、
大阪大学 附属図書館 研究開発室 甲斐尚人 1.はじめに 2021年9月に附属図書館研究開発室の助教として着任しました。どうぞよろしくお願いいたします。研究開発室は、附属図書館が行う教育研究支援活動に関する課題について研究開発を行い、高度な図書館サービスの実現を目指して活動しております。現在、室長(附属図書館長)、専任教員1名、兼任教員3名で構成されており、専任教員である筆者は「研究データマネジメントスキームの構築、オープンアクセスを含めたオープンサイエンス推進」を研究開発課題として取り組んでおります。 本稿では、オープンサイエンスの世界的な潮流や国内の動向、今後大学図書館に求められる役割について海外の取組みを例示しつつご紹介させていただきます。 2.オープンサイエンスの世界的な潮流と国内の動向1) オープンサイエンス*は、適切な研究データ管理による公正な研究活動の推進だけでなく、研究デー
2020年にオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)と大学ICT推進協議会(AXIES)は、国内の大学や研究機関を対象とした研究データ管理(RDM)の取組状況に関するオンライン調査を実施した。科学技術・学術政策研究所(NISTEP)データ解析政策研究室は、結果データの提供を受けて二次分析を実施した。 352件の回答を分析した結果、データポリシーを策定・検討している機関は23.6%、RDM体制を構築・検討している機関は23.0%であった。RDM体制のステークホルダーとして認識されていたのは、研究推進・協力系部門(61.9%)、図書館(43.2%)、情報系センター(31.5%)の順であった。RDMサービスのための情報インフラ整備を検討・対応している機関は17.8%、データを長期保存するためのストレージを検討・提供している機関は21.9%であった(この2問のみn=297)。いずれの実施
Volume 24, No.4 Pages 388 - 393 2. ビームライン/BEAMLINES 所外実験データ転送システムBENTEN Experimental Data Transfer System BENTEN Abstract SPring-8で計測した実験データを所外からアクセスするための基盤として、実験データ転送システムBENTEN(Beamline ExperimeNTal stations oriENted data transfer system)を開発し、2019年3月より運用を始めました。BENTENはユーザー認証機能を持ち、データを一般に公開する機能(オープンデータ)、および実験課題の共同メンバーのみにデータ共有を行うアクセス制限機能を実装しています。現在、BENTENはBL14B2においてX線吸収微細構造(XAFS)標準試料のデータ公開や、ユーザー実験の計
独立行政法人 日本学術振興会 研究事業部研究事業課 企画・人社係 〒102-0083 東京都千代田区麹町5-3-1 麹町ビジネスセンター7階 TEL03-3263-1106、4645 MAILdi-hs*jsps.go.jp (注)メールアドレスは、「@」を「*」に置換しています。 人文学・社会科学におけるデータ共有のための手引き 「人文学・社会科学におけるデータ共有のための手引き」は独立行政法人日本学術振興会(JSPS)が平成30(2018)年度から実施している「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業」の成果の一部です。事業の目指す方向に沿う形で構築されつつあるデータ基盤を念頭に置いて、データの共有・利活用そしてそれを可能にするデータの寄託を促進することによって人文学・社会科学分野の研究の振興を図ることを目的としています。 この手引きによって人文学・社会科学分野の研究者
NBDC研究員の信定です。 先日登壇したJOSS2021 内のセッション「FAIRなデータキュレーションの実践」の概要と、当該セッション内で私が紹介したFAIR度の測定に関する欧州・米国の取り組みを報告します。 JOSSについて JOSS(Japan Open Science Summit)は、オープンサイエンスをテーマとした日本最大のカンファレンスで、今年は2021年6月14日(月)〜 19 日(土)の6日間、オンラインで開催されました。今回で3回目の開催です。研究分野や機関でのデータ管理から政策・ポリシーまで、幅広い話題について議論がなされました。 「FAIRなデータキュレーションの実践」セッションの概要 以下、私が登壇した「FAIRなデータキュレーションの実践」セッションについて、ご紹介します。 本セッションは、JOSS2021の5日目午後に、1時間半の枠で開催されました。国立情報学
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