(前回から読む) 養老 都市開発に「大局観」というものが欠けているのは、20世紀の考え方の特徴だったかもしれません。石油問題もそうで、実は経済成長とエネルギー消費が完全に平行する、というモデルを立てて、アメリカと日本と西ドイツがぴったりそれに当てはまるという証明を1970年代に最初にやったのが、ドイツの物理学者だったんですよ(※)。 ※ライナー・キュンメルの「LINEX関数」。詳しくは『地球最後のオイルショック』(デイヴィット・ストローン著、新潮選書)第5章を参照 隈 経済学ではなく物理学者だったんですね。 養老 その時点での経済学は、「経済成長はエネルギー消費と関係している」、ということに気が付いてない。あんまり大きな声では言えないけど、文科系の学問ってのは…と思ってさ(笑)。 隈 環境問題のデータも、読み違いはだいたい経済学方面から、と言われていますよね。自然科学がそこにうまく入ってこ
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