マイコン(MCU:Micro Controller Unit)市場に大きな変化が訪れている。約15年前にマイコンメーカー製の独自CPUコアが英Arm(アーム)のCPUコア「Cortex-M」に置き換わって以来の大きな変化だ。今回の変化の起爆剤は、マイコンに内蔵されているフラッシュメモリーである。半導体プロセスの微細化によって、フラッシュメモリーの内蔵が難しくなっており、マイコンメーカーはその対応を迫られている。ルネサス エレクトロニクスは、Armコアベースのマイコン(以下、Armマイコン)への参入で後れを取ったため、マイコン市場におけるポジションが一時低下してしまった。今回の変化に同社はうまく対応できるのか。競合の動きも含めて探ってみた。 最初に現在のマイコン市場を眺めてみよう。米Gartner(ガートナー)が2023年4月にまとめたマイコン世界市場のデータでは、前年比でちょっとした変化が
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