ビジネスは基本的に成長していくものだし、拡大していくことが前提で、しかも最近だと「システム」が付いてくる。全部人力で作り上げるビジネスなんてあるのか。いや、ない。あるとしても小規模だろう。人だけで成り立つなんてビジネスを放置しても、きっともはや、人が集まらない。コンピューターによる自動化はない。全部人力だ。さあ仕事しなさいって、それは原始的だろう。あらゆる仕事場で自動化ありきの人間の仕事が増産されているのであり、人々もそういう職場を狙っている。時代遅れの職場で、かつそういう人力の仕事は生産性も低く給料も安いので、どんどん敬遠されるようになる。 さて、じゃあシステム化しました、と。システム化するための要員はまだいるようだ。各社ベテランが腕を奮っている。DXの掛け声でクラウドもあって生産性は上がり、システムと名の付くものが量産されている。わかっている、システム構築のスピードは10年前と比べると
Q. インフラエンジニアになるのは簡単か? A. 簡単です。 インフラエンジニアでベテランの私でもこう答える。 ただし、なることと、上を目指すのは全く別のお話だ。インフラエンジニアを名乗ること自体は簡単でも、何を仕事にするかは恐ろしく幅が広い。 幅が広いから、スキルの表現が標準化されていない。何でもできるをフルスタックというのは簡単だけど、何がフルなのかを表現できる人は誰もいない。 自分はフルスタックだ、と言う人がいれば、それはあなたが働く現場の全ての業務、という意味でのフルであって、世の中の全ては捉えきれてはいない。 もはや、全てを知っているというよりは、未知なことがきてもなんとかできる、という意味合いの方がインフラエンジニアについては当てはまる。どんな要件が来ても基盤となる知識があるので、資料を読み解けば何とかできる、ぐらいの胆力が求められる。 未経験からのインフラエンジニア、という意
インフラエンジニアということもあって、とにかく作業を正確かつ機敏にこなすことが技術力を示す。こういう風に動くように設定して欲しいんですけど・・という依頼に対して、素早く手段を確定し、安全に実行する。構築でも運用でも同じだ。何しろコンピュータに対してインプットし、アウトプットとしての結果が、目的と一致することがお仕事である。 結局のところコンピューターに対してインプットするのは、全てに共通する。だからコンピューターを操作する、という一点において、これに時間を使うのは、勉強の方法として鉄板だと思う。どんどんさわらないと。 私が子供の時、小学校に入る前くらいに、計算機を与えられたら一日中さわっていて、親が見かねて隠しちゃったという記憶がおぼろげにある。それぐらい、理屈がわからなくてもとにかくさわるというか、たくさんさわることで習得できるというのは、私は本能的に選んできた。その原理でここまで来たと
たまにSNSで論争になるので、意見を言っておこう。 日進月歩のIT業界でお勉強するべきかって話。 そりゃ、しないと置いて行かれるでしょうね。特にソフトウェア周りって、気を抜いているとどんどんバージョンアップして、操作方法も変わる。基本的なことさえ押さえていれば、あとは便利になっていくだけだから新しく勉強することなんてないよね勢がいるのもわかるが、それでも時間的に限界はある。7.0と8.0は大きな違いが感じられなくても、7.0と15.0はもう全然別のソフトウェアになっている。 どんなソフトウェアも、情報処理技術者試験で出てくるような基本から成り立っている。その上に応用としての技術があるので、基本をしっかり身に付けていれば、ある程度の技術の変化にはついていける。それは間違いない。 問題は、この基本の部分をどの程度習熟しているか。それこそ年齢が若い時に、仕事「以外」の時間も使って学ぶことをお勧め
定期的に、将来インフラエンジニアは要らなくなるという意見を見る。そもそも、IT業界の中であまり人気のないこの職種。しかも将来性がないとまで言われるとますます、なり手がいなくなるよと思う日々である。誰だそんな記事を今日も書いているのは。 それならそれで、インフラエンジニアがいなくても仕事が進められるようにならんかと考え、省力化について試行錯誤するわけである。少し前に話題になったコンテナ化やマイクロサービスが、今のAI並みに業界で話題になった時には少しワクワクした。もう開発者側で、複雑なネットワークの調整、ロードバランシング、その他やってくれるかと思ったものだが、残念ながら現状をそうはなっていない。 むしろ、その辺、うまくやってくれませんか、みたいな相談を開発者から受けるたびに思う。課題は存在し続けている。課題を今まで縦に切っていたのを横に切ったとしても、何にも解決しない。今まで縦に切ってまし
内製化すればいいというものじゃない、ということを考える。 japan.zdnet.com ガートナージャパンは1月18日、日本でのソフトウェア開発の内製化に関する調査結果を発表した。方針が内製化の方向にある企業が54.4%に上り、IT部門の人手不足が開発内製化の最大の障壁になっていることが分かった。 最近はデジタルそのものが商行為になることが多く、それ全体を外部ベンダーに乗っ取られたら、会社からノウハウが流出してしまうというのは正しいと思う。 だからといって、それを自社で全部賄うというのは、デジタル自体の仕組みから言ってかなり無理のある思想に思う。 デジタル自体、外部ベンダーが基盤を作っている。ハードウェアからネットワーク、ソフトウェアまで全部自社にあるものは何もない。 その上で書くコードだけは内製化、としても、かなり小さな面積だなと率直に思う。デジタルにかけるお金のうちかなりの額がすでに
経産省のレポートで、一部ざわついているようです。 経産省が危機感を抱いてるのがわかる。なんだこの絶望的なレポートは。悔しい。負けてたまるか。 ・企業は人に投資せず、個人も学ばない ・日本の人材の競争力は下がっている。 ・東証一部上場企業の合計時価総額は、GAFAM5社に抜かれた。 ・日本の国際競争力は、この30年で1位から31位に落ちた。 pic.twitter.com/khJS6vS38l — くりぷとバイオ@研究×新規事業開発 (@cryptobiotech) July 3, 2022 日本の経営者はきっとこう読み替えます。「ウチの社員は自分で勉強しない。会社に甘えているぶらさがり社員が多い。」と。 仕事をしていて思うのは、日本は「技術は現場で先輩から盗む」という文化が根強いこと。外部で学習したことが現場で使えない。各会社でやっている方法論がユニーク過ぎて、標準化されていないというのが
今日のお題 大企業の中高年リストラ関連で注目を浴びている下記の記事。 chikirin.hatenablog.com 考察 全ての会社員が「思考時代」に追随し、「言われたことをやる」から「自分で考えてやる」に移行したらどうなるか。 とんでもなく統制が取れないと思います。 「言われたことをやる」人は必要です。もう必要ったら必要。 世の「言われたことをやる」否定論をもうそろそろぶった切りたい。 「自分で考えてやる人」の価値が増大しているのは当たり前です。なぜなら、やりたいことの規模に対して、人数を増やす必要があったのが今まで。しかし、これからは自動化・省力化の推進で、人数を増やす必要がなくなったからです。 コンピュータにやらさればいいことがどんどん増えたので、「自分で考えてくる人」が出したスマートなアイデアを具現化するのに人間が不要になった。そして、その規模を増やせばその人が利益を総取りできる
加速するクラウド利用 週末の日経を見てもクラウドは話題の中心になると感じます。 www.nikkei.com 政府は全省庁のシステムを2020年秋から順次、データを集中管理してインターネット経由で使うクラウドに切り替える。12月にもクラウド企業の採用基準を決め、海外の企業に日本国内へのデータセンター設置などを求める。安全保障に配慮し、基準を満たした企業を公開して民間にも活用を呼びかける。データ管理を国内に制限している中国企業は採用されない公算が大きい。 何だかんだ理由を付けて中国企業のクラウドは使わないと言うのはわかりますが、もはや日本企業のクラウドの存在感はどんどん低下し、アメリカ企業のクラウドを、クラウドと言う場合が多いです。日本国内においては、AWS、Azure、GCP、その他世界シェアから言えばIBM CloudやOracle Cloudと、どこまで掘ってもアメリカ企業です。 昨日
部下の教育 現代を象徴している話だと思うんです。 maname.hatenablog.com だいぶ前に、数か月間だけ預かった部下への教育を間違ったなぁというお話。 考察 最近、こう思うんです。 課題解決型の仕事がどんどん減っていると。 よくロールプレイングゲームで「クエスト」ってあるじゃないですか。「薬の材料が必要なんだけど、その材料がある山にモンスターが住み着いてしまった。倒してほしい。」みたいな。それを引き受けて、無事にモンスターを倒して薬の材料を手に入れたら報酬がもらえますよね。依頼元の課題を解決することでお金をもらえるのが課題解決型の仕事です。 最近流行のクラウドソーシングなんてそれに近いと思います。ただ、普通の企業の中でそんな「課題」がごろごろ落ちているか。 課題って、システム屋の発想から言えば、何らかのプロセスを何個かつなげば解決します。モンスターを倒しに行くロボットを作って
https://linecorp.com/ja/ 謎多きLINE証券 LINE証券ってご存知ですか? LINEアプリから、株が買えるというサービスです。 www.nikkei.com LINE傘下のLINE証券(東京・品川)は20日、スマートフォン向けの投資サービス「LINE証券」を始めたと発表した。個別の株式を1株単位から、国内上場投資信託(ETF)を1口単位から取引できる。働く世代が利用しやすいように、平日21時まで取引ができるようにした。 これだけだと単に、ああネット証券がもう一つ増えるのね・・というので終わりなのですが私が面白いと思ったことがあります。 情報がない 2018/8/27現在で、Googleで「LINE証券」を検索するとします。 なんと、コーポレートページに飛ばないんです。ふつうは証券会社のトップページに飛んで、サービス説明が表示されるというのが普通ですよね。 LINE
メンタルヘルスの話 今日の話題はIT業界におけるメンタルヘルスの話が多めで、これをどう記事にするか一日悩んでいました。 ictj-itengineers.joho.or.jp 厚生労働省「労働安全衛生に関する調査(2018年)」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した従業員は、常時従業員全体の0.4%、メンタル不調により退職した従業員は、0.3%。産業別にみると、1ヵ月以上休業した労働者は、情報通信業が1.2%と、最も高い割合になっています。 このメンタルヘルスの話って、確かにIT業界にいてここ20年で随分議論され、進んだ分野だと思います。確かに病む人は多い印象です。特に厳しい現場にいたころには、現場を去る原因の大きな一つになっていました。 eラーニングでメンタルヘルスの研修を受けることは何度もあるのですが、最近はトレンドが変わったことを知っていて、「セルフケア
人手不足なのに一方でリストラの謎 45歳以上に対し、早期退職・希望退職者募集の嵐が吹き荒れているということという記事については本当にたくさんの方に読んでいただくこととなりました。できるかぎり全ての反応に目を通しています。 さて、その反応の中でも最も多かったのは「外国人を大量に受け入れてまで人手不足に対応しようとしているのに、一方でなぜリストラを行うのか」というご質問でした。 この問いに対して様々な情報収集を行っていたのですが、今日目にした2つの記事が的確に答えてくれたのでご紹介します。 2つの記事 ぜひ、全文にお目通し頂きたい2つの記事です。 2つ読むと、わかることがあります。 日経ビジネス business.nikkei.com 「低い最低賃金が人手不足を助長している」。静岡県立大学の中澤秀一准教授はそう主張する。生産性を高めるための企業努力よりも、安い人件費の労働者を活用する方が利益を
なぜ・・45歳からのリストラ 先日の富士通45歳以上に対する早期退職募集の件は、人不足と見られたIT業界に大きな意外感を放ち一石を投じたわけですが、よくよく調べてみると大変な事実がわかりました。 「45歳」 をボーダーラインにして多くの企業で早期退職/希望退職者募集をかなりの企業が行っていることがわかりました。 示し合わせたように45歳が条件になっており、驚きの結果をまとめます。 まとめ 順序に意味はありません。 昭文社(2018/12/13) www.itmedia.co.jp 地図事業を展開する昭文社は12月13日、「出版不況や無料ナビアプリの影響で業績が悪化した」とし、希望退職者を募集すると発表した。45歳以上の従業員80人程度の希望退職を募る。ライバルのゼンリンは「Googleマップ」など無料アプリにデータを提供しており、好業績が続いている。 コカ・コーラボトラーズジャパンホールデ
インフラエンジニアの世界 IT技術者というと世間から見たら、要件定義やシステム設計をおこなうシステムエンジニアと、それを実装するプログラマーしか見えてないと思うんですよね。でもその基盤を動かすインフラエンジニアという人たちが全体の10パーセント弱(肌感)存在しています。 インフラエンジニアと言ってもまたそこから役割分担があって、物理サーバーやOSに強いサーバーエンジニアと、ネットワークに強いネットワークエンジニアがいます。大昔は物理サーバーとネットワークしかインフラに無かったので、大体はこの二極化でした。ネットワークエンジニアはスイッチやファイアウォール、ロードバランサーくらいまでは自分の領域としてくれていますが、OSやミドルウェアのことになると、それは私の領域ではない発言が出てサーバーエンジニアをブチ切れさせること請け合い。逆にネットワークエンジニアはサーバーエンジニアがなんでもネットワ
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