バブル崩壊から長い間デフレだった印象があるかも知れないが、消費者物価指数で見たデフレ傾向が明らかになるのは1999年だった。この時期は物価の下落も目立つのだが、失業率の上昇や金融機関の不良債権問題も顕在化していた。1997年に3.4%だった失業率が1999年に4.7%まで上昇し、2002年に5.4%になるまで不況が悪化する。 この『デフレ』を、需要喚起型イノベーション不足による企業業績の悪化から雇用水準を守るために、労働者が賃金引下げを受け入れたとする説があるそうだ。需要喚起型イノベーション不足がデフレの原因と言うのはあるかも知れないし、欧米よりも賃金の硬直性は少ないのかも知れないが、雇用水準が守られているようには思えない。 賃金水準はどのように変化したのであろうか。連合が賃金水準の推移のデータを公開してくれているので、見てみよう。 1999年以降に賃金の下落は見られるが、所定内賃金の下落