写真を撮ったあと、手前の人物にピントを合わせたところ(上)と後方の人物にピントを合わせたところ(下)=東芝提供東芝が開発したカメラモジュール。スマホなどに組み込んで使う=東京都内 【上栗崇】「ピンぼけ」よ、さようなら――。東芝は、写真を撮る前にピントを合わせなくても、撮ったあとで好きな部分や写真全体にピントを合わせられる特殊な写真を撮影するカメラを開発した。1辺約1センチの箱形で、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末に組み込んで使う。 縦5ミリ、横7ミリほどの画像センサーの前に、直径0.03ミリのレンズを約50万個、ぎっしり並べた。「複眼」と呼ばれる昆虫の目と同じ構造だ。それぞれのレンズが少しずつずれた映像を捉えており、50万個の小さな写真を独自のソフトで組み合わせて大きな1枚の写真を作る。 二つのレンズがある3Dカメラと同じように、小さな写真同士のずれを利用して被写体ま