受刑者や死刑確定者の高齢化が進む中、刑務所や拘置所など刑事施設の常勤医不足が深刻化している。全国の定員は226人と定められているが、今年4月時点で過去最低の187人しか確保できていない。刑務所医療の質の低下や、刑務官の負担増が懸念される。 法務省矯正局によると、全国の刑事施設に収容されている60歳以上の高齢者は09年に初めて1万人を突破。翌10年には、被収容者に占める高齢者の割合(高齢者率)が過去最高の16%に達した。 同省の規定では、全国188の刑事施設のうち、支所などの小規模施設を除いた93施設に常勤医を配置すると定めている。 しかし現在、収容定員が1500人を超える福島や網走といった大規模刑務所も含めた12施設に常勤医がおらず、24時間対応ができない非常勤医や外部医師の協力でしのいでいる。 受刑者を外部の医療機関に連れて行く場合、逃走防止の観点から1人につき3人の刑務官が付き添って監