「グスコーブドリの伝記」は,有名な宮沢賢治(1896-1933)が1932年に発表した短編童話です.不幸な身の上をもつ少年が,火山研究所技師として一人前になり,社会を救うというこの話は有名ですから,知っている方も多いと思います.一火山研究者として,いろいろと感銘を受ける点が多い作品です.以下に1994年に公開されたアニメ版のストーリー(原作とやや異なる点あり)をまとめます.2012年のリメーク版にはない、いくつかの重要なエピソードが含まれています。 少年ブドリは,イーハトーブ国の森で父母妹と4人で幸せに暮らしていました.ところが何年もつづく異常低温による飢饉と火山噴火によって,大変な不幸がブドリの身にふりかかりました.父母は死に,妹は人買いにさらわれ,家も失ってしまいます. 続きを読む