・近藤誠一 文化庁長官
この半年ほど、文楽協会と橋下徹大阪市長の間のやりとりをなんとなく観察していたのだが、事態は、どうやら、最終局面に到達しつつある。 違法ダウンロード刑罰化法案について、私が当欄に原稿を書いたのは、手遅れになってしまった後のことだった。この点について、私は、ちょっと後悔している。もう少し早い段階で、何かできることがあったのではなかろうか、と、そう思うと残念でならない。 なので、文楽については、状況が流動的なうちに、思うところを文章にしておきたい。 役に立つかどうかは分からないが、コラムの連載枠を与えられている人間は、せめて、人々に考える機会を提供するべく、できる限りの努力を払わねばならないはずだからだ。 橋下市長は、補助金をカットする決意をすでに固めているように見える。 報道によれば、文楽協会とその技芸員が、市長への非公開の面会を求める方針を固めたことについて、橋下市長は、以下のように反応して
インタビューに答える日本文学研究者でコロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさん=東京都北区で2012年3月9日、小出洋平撮影 日本文学研究者で08年に文化勲章受章、今月8日には念願の日本国籍を取得したコロンビア大学名誉教授、ドナルド・キーンさん(89)が毎日新聞のインタビューに答え、大阪市による財団法人「文楽協会」への補助金(5200万円)凍結を憂慮。「ショックです。文楽は大阪に特別な意味があります」と大阪発祥の世界無形文化遺産「人形浄瑠璃 文楽」へ援助継続を要望した。日本の伝統芸能を愛するキーンさんの発言は波紋を広げそうだ。 キーンさんは1953年、英ケンブリッジ大から京都大大学院に留学。近松門左衛門ら日本文学の研究、翻訳で業績を上げる傍ら、能の謡曲や狂言の稽古(けいこ)に励み、日本の伝統芸能に造詣が深い。 豊竹山城少掾(やましろのしょうじょう)ら名人ひしめく黄金時代の文楽も、当時の四ツ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く