印刷 「極右の舞踏会」で踊る若者たち=ウィーン、玉川透撮影「極右の舞踏会」に抗議するデモ隊=ウィーン、玉川透撮影 ウィーン伝統の舞踏会が政治に踊らされている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)のオーストリア委員会が1月、同国の無形文化遺産の登録から外した。一部の舞踏会が極右勢力の集会になっていると批判されたためだ。「政治と文化は無関係」と主催者側は反発するが、急伸する極右に人々は神経をとがらせている。 ウィーン中心部にあるハプスブルク家の王宮ホーフブルク。1月27日夜、その内と外は別世界だった。 「王宮の外にいる連中こそ民主主義の敵だ。誇り高き、われわれドイツ圏の文化を守り抜こう!」 豪華なシャンデリアが照らす王宮内で、オーストリアの極右政党・自由党のシュトラッヘ党首が気勢を上げると、華やかな衣装に身を包んだ約3千人の男女が熱に浮かされたように踊り始めた。オーストリアやドイツの学生団