米大統領選共和党候補の指名を争うロムニー氏やギングリッチ氏が訴えていることがある。「英語を公用語に」という主張だ。まるで日本の企業のようなスローガンだが、英語は米国の今日的な問題なのだ。おりしも西部アリゾナ州で、全米の注目を集める「英語裁判」が行われた。英語問題は変わりゆく米国社会を映し出すとともに、今後の日本にも教訓をもたらしている。(坂本英彰)スペイン語の町 ロイター通信などが報じたあらましは以下の通りだ。 舞台はすぐ南側がメキシコというサンルイス。人口2万5千人という小さな町だ。裁判は、市議選に立候補した女性、アレハンドリーナ・カブレラさんをめぐって行われた。 「彼女の貧弱な英語では職責を全うできない」 サンルイスの市長、エスカミラ氏が、カブレラさんの候補失格を求める裁判を起こしたのだ。 英語ができなくて米国民が選挙に出られないことがありうるのか。アリゾナ州には公職者に英語力を求める