原発事故の影響で国産米の価格が高騰し、食味に劣る非銘柄米や輸入米が売れるなど、コメ市場に“異変”が生じている。 長引くデフレの継続や、消費者のコメ離れなどが進んでいることも、背景にはあるようだ。埼玉県内での販売事情を取材した。 「今年は昨年の倍以上、在庫があります」。川越市今福のコメ業者「かねこライス」の金子厚社長(49)は、倉庫の天井近くまで積み上がった玄米の袋を前に話した。「新潟産コシヒカリ」「ミルキークイーン」。名が知られた銘柄米のラベルも目立つ。店頭だけでなく、インターネットでも販売しているが、動きは鈍い。震災の風評被害も影響してか、「西日本のお客さんは、東日本のコメをほとんど買わない」という。 にもかかわらず、価格は高いままだ。震災後、国産米価格は急騰した。農林水産省によると、生産者と卸売業者の取引価格を示す相対取引価格(玄米1俵、60キロ・グラムあたり)の2011年産平均は3月