野田佳彦首相は5月の大型連休中で調整している米国訪問に合わせ、太平洋の新たな秩序作りのための基本戦略「野田ドクトリン」(仮称)を打ち出す方向で検討に入った。海上航行の自由や紛争の平和的解決、高いレベルの自由貿易体制構築が柱。「アジア太平洋重視」の姿勢を強める米国と歩調を合わせ太平洋の安全保障、経済発展を主導し、中国やロシアを新秩序作りに巻き込むことを目指す。首相訪米時にワシントンで講演し、提唱する見通しだ。【西田進一郎】 政府関係者によると、首脳会談では、安全保障▽経済▽文化・人的交流--を3本柱にした、同盟深化の共同声明を発表する方向。これと合わせて「野田ドクトリン」で、アジア太平洋地域の安定と経済発展のための協力体制作りを提唱する。野田政権に対する「明確な外交ビジョンがない」との批判に応える狙いもある。 安保分野では、「海洋はアジア太平洋地域を連結する公共財」との原則に基づき、紛争の平