TPPは日本語では一般に「環太平洋戦略的経済連携協定」と訳されている。しかしTPPとはそもそも「Trans-Pacific Partnership」、つまり「環太平洋パートナーシップ」の頭文字を取った略である。「太平洋の周辺地域のパートナーシップ」というこの表現の方がTPPの本質を知るためには、ずっと分かりやすいだろう。 このパートナーシップは太平洋に面した諸国の経済の連携であり、特に貿易面での相互の自由化を目指す。母体は従来の自由貿易協定だが、その「自由」を拡大し、関税や輸入割当をゼロにすることまでを目標とした「21世紀型の自由貿易圏構想」とも評される。 このパートナーシップにはすでにオーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの9カ国が加盟を決めている。日本は加盟か不加盟かを決めるための協議に加わった、というわけだ。 日本から奪い絞